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U2の嘘は美しい

 U2が新しい空間を観せたらしいラスベガスのライブ映像がいま話題になっている。久しぶりにU2を聴いた。彼らがまだとても政治的なメッセージを全面に出していた頃、ボノのライブパフォーマンスは白旗が象徴していた。

 ウッドフェスを80年代に甦らせた伝説のUSフェスでは白旗を担いでステージ上の巨大な屋根に登り白い旗をなびかせていた。そう、純粋が売りだったんだね。

 ところがアルバム/アクトンベイビー。あのアルバムを境にしてボノは悪魔になった。象徴的な意味もあるけど、衣装は悪魔を具現化していたし、そこから受け取るべきメッセージは魂を売ったということ。これはビジネスだよと、約束の地は消えた。ボノの愛は金だと、そう「思わされた」。

 「芸術は真実を我々に悟らせてくれる嘘である」というピカソの定義はまさにアクトンベイビー以後のU2だろう。ボブディランがアコギからエレキへ、忌野清志郎さんがモンキービジネスを示したのも同じく。

 ネット詩でよくみかけた「自分語り」、脳内に浮かんだことをただ言葉にしただけ(いや、これは自戒も含む)。上手く嘘が付けないでいるんだみんな。

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