その戦争の相手は国家でもテロリストでもAIでも地球外生物その他いかなる侵略者でもなく、異性だった。

全ての始まりはある女性科学者の卵子のみでヒト胎児を発生させる実験の成功だ。
彼女は過激フェミニストとしても知られ研究成果をこのように発表しネットを炎上させた。

「この技術が実用化されれば、世界に男性は必要なくなるでしょう」

その後彼女は失踪。そして男達に性的暴行を受ける動画がネット上にばらまかれた。
共同研究者である彼女の妹は研究成果の胎児を宿していた。姉の仇たる男への憎悪から、男性のY染色体に選択的感染する生物兵器を完成させ使用。

これにより全世界の男性の約半数が死滅。
男性達は『始まりの地』中央遺伝子研究所を総攻撃、男女間戦争開戦。

――15年後――

セクシャルマイノリティ達が中立地設立を宣言し数年、ある日そこに男装の少女が現れた。

彼女こそ『始まりの娘』
女性のみの遺伝子から生まれ男性の心を宿す者である。

【続く】