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渡辺貞夫 “TOKYO DATING”

【過去の演奏会より】

日時:2023年12月8日(金)
場所:兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

アルトサックス     渡辺貞夫
ピアノ         ラッセル・フェランテ
ベース                      ベン・ウィリアムス
ドラムス                 竹村一哲
トロンボーン         村田陽一
トランペット         西村浩二、奥村 晶
テナーサックス 小池 修

【演目】

(1st set)
PEACE、TOKYO DATING、LAURA、TREE TOPS
ONE FOR JOJO、I’M A FOOL TO WANT YOU
LAMENT、AIRY
(2nd set)
COME TODAY、I MISS YOU WHEN I THINK OF YOU
FOREST SONG、WHAT SECOND LINE
ONLY IN MY MIND、SAMBA EM PRELUDIO
GEMMATION、LIFE IS ALL LIKE THAT
CHRISTMAS DREAM
(アンコール)
HARAMBEE、CARINHOSO

兵庫県立芸術文化センターでは初めてのジャズ。渡辺貞夫さんは初めて生で聴く。座席は1階の前から数列目、楽しみだった。

トレードマークでもあるサダオスマイルで入ってきた時は90歳のご老人にしては矍鑠(かくしゃく)とされている人といった印象だったが、演奏スタート直後から『マジか…』『凄すぎ!』『ヒェ〜〜』の連続。。

円熟の渋みといった印象ではなく、ジャズの最先端を疾走している貞夫さんに周りがついていっている印象だ。衰えなんかこれっぽっちもない。あっけにとられた。

聴くにつれて、ジャズプレイヤーの道一筋の渡辺貞夫さんはこの上なくジャズが好きで、実に楽しそうに演奏する。若い頃の余力ではなく、さらに猛練習を重ねてこだわりのサウンドを追求しているのだろう。リズムもテンポもまったくブレない。本当に驚きだ。マイクの使い方も自由自在だった。

MCも簡潔、ファッションも簡潔、キューだしやテンポも貞夫さん。当然周りを支えるピアノ、ベース、ドラムも4名のフォーンセクションも秀逸だった。照明や舞台効果も雰囲気のあるもので、演奏をさらに盛り上げていた。

聴き終わって、振り返れば5階の後ろの席まで、拍手の嵐が広がっていた。超満員の客席だった。

貞夫さんはジャズを演奏するためだけに舞台に上がり、笑顔を絶やさず、拍手が続けば時間の許す限りアンコールに応える。また先人や仲間を大切にし、多くの作品を紹介し、彼らのために多くの作品を書いた。

その純粋さ、ひたむきさにとても感動し、頭を打たれた。本当にすごい人だ。勇気や元気を多くもらえた。

年齢からいつ聴けなくなるかわからないから行こうという聴衆もいたかもしれない。でもそれを超えて渡辺貞夫さんのジャズは発展し続け、追求し続ける。また今日を上回る演奏と笑顔に会いに行きたい、ジャズの真髄を聴きたいと思った。



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