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革靴を愛でる

靴磨きって楽しい。
ブラッシングして、クリームを塗って、布で拭く。
磨いた後は靴の光り方がクリアになって、ついつい「綺麗になったねぇ良かったねぇ」と話しかけてしまう。
履き皺が綺麗についているのを見て笑みが溢れる。履き皺を上手く入れるにはおろす前の保湿が肝心なのです、とネット情報を知らぬ誰かに教えてみたり。
うちの子が1番かっこいいのよ、なんて心の中で自慢。
丁寧に磨いているかは靴屋さんにはわかってしまうそうで、自慢の子を褒めてくれることもしばしば。
先日もうすぐでお迎えしてから丸2年になる子を履いて新しい子のお迎えに行ったら、「丁寧にお手入れされてますね。大事にしてもらえてるんですね。」と店員さんが言ってくれた。
その子は実は珍しい色だったらしく、新しい子と一緒に大切にしてあげてくださいね、とも。

手元には3足の革靴がある。

1つは珍しい色の子。マーチンタッセルローファーのチェリーブラウンさん。大学生になった年のクリスマスにお迎え。マーチンは中学生の頃からの憧れで3ホールを買う気満々だったけれど、何だかしっくりこなくてローファーに。スナッフルズと迷ったけどエイドリアンに。黒と迷ったけどチェリーブラウンに。
手持ちの服の殆どと相性抜群で、着脱もしやすいし歩きやすいし、365日中330日位は履いているかもしれない。雨の日も長距離移動の日もこの子と一緒。表面の茶色の塗装が少しずつとれて、下に隠れてるレンガ色が見えてくる。履く人によって落ち方は違うから、この子は世界に一足しかない。二代目はこの世に存在しないから、より一層大事にしないといけません。

次にうちに来たのが、サンダースミリタリーダービー。つま先に2本ステッチが入っている方の子。これは高校生の頃からの憧れで、20歳の誕生日に買ってもらいました。英国軍御用達と聞いて、英国大好き人間が憧れてしまうのは仕方のないことです。一足一足手作業で作られているのに比較的リーズナブルなのは、軍向けに供給ラインがあるから。形が美しい、そして靴音がとてつもなくカッコいいです。英国軍はこの靴音なのか....と噛み締めます。この子をお迎えしてから靴磨きデビュー。いい感じに履き皺が入ってきて、履く度に足元を見てニヤニヤ。靴は一度試してから買う、という自分ルールを遂行するために取り扱い店舗を探して試着。本当は軍用と同じヒール高が良かったけど、レディース仕様はないので断念。いつかレディースも出たら嬉しい。履くだけで背筋が伸びてしまう特別な靴。他の型も美しいのでいつかは......

3足目はこの秋にお迎えしたマーチンのサイドゴア。オールブラックタイプ。ブーツが欲しい欲しい......秋が来ると毎年思うものの何故だかタイミングを逃しに逃し、4.5年かかってやっと手に入れました。マーチンのブーツは後ろ姿が美しいです、街中で見かける度に「やっぱりマーチンかっこいいな」と思うのです。お店に行くと沢山モデルがあって、スクエアトゥタイプにかなり心を惹かれました。しかし、イエローが気になる。人が履いてるのを見ると「イエローがかわいいですね☺️」と思うのですが、自分が履くとなんか気になる....ということで厚底やスクエアに後ろ髪を引かれながらも定番タイプをお迎え。とにかく履いて履いて足に馴染ませている最中です。「大事にしてあげてくださいね」とマーチンスタッフさんに託されましたので、愛情かけて世界で一つのとびっきりイケてる子に育てたいと思います。

革靴って履いてる時も磨いてる時も眺めている時も、愛しさが感じられて楽しいです。素敵な靴は素敵な場所に連れて行ってくれると言うけど、履いてる時点でかなり素敵な気持ちになれます。
今日も明日も明後日も、うちの子素敵でしょ、と心の中ですれ違う人に話しかけながら街を歩きます。

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