見出し画像

あの場所にキングサイズのベッドを

#どこでも住めるとしたら

 伝わるかわからないが、書こうと思う。あの場所に住みたい。ていうか、あの場所で大の字になって寝たい。

 東京駅、京葉線ホームへ向かう通路はえらく長い。都会の人にとってあの通路は「ディズニーランドに行く時に歩く通路」だが、千葉の田舎に住んでいた頃の私にとっては「混んでいる総武線に乗る気力が無く、蘇我行きの始発に乗りたい時に歩く通路」だ。伝わるかな?ツイステワンダーワンドの広告が並ぶ壁を眺めながら乗る、動く歩道。どこまで下るの?と思う長いエスカレーター。

 そう、あの長い下りエスカレーター、4列くらいあるのかな?私が住みたいのはそのエスカレーターとエスカレーターの間にある縦3メートル横2・5メートルほどの平なスペースである。


下手なりに描いてみた。伝われ〜!!


 ・・・伝わらないかもしれない。悔しい、私に画力があれば・・!

 この空間、東京駅に限らず、あちこちのエレベーターや階段がある場所に、様々なサイズのものがある。しかし、東京駅のものは圧倒的広さを誇っている。他の髄一を許さない安心感だ。あそこに住みたい。寝転びたい。知らない人とぎゅうぎゅう列になってエスカレーターを下る時、あのスペースが目に入ると癒される。大体あのエスカレーターに乗っている時は疲労度MAXだから、余計あの場所に寝そべりたくて仕方が無くなるのだ。

 あそこに入居したらまず、四つ角に小さな観葉植物の鉢を置いて結界を貼る。そしてキングサイズのふかふかベッドを置いて、思いっきり寝そべる。下ったり登ったりする人たちを眺めながらウトウトするのだ。エスカレーターが空いているタイミングでよっと飛び降りて、東京駅内を散歩する。なんだってあるのが東京駅だ。そしてどこへでも行ける。ご飯も東京駅内で事足りるじゃないか。寿司でもつまんで、本屋に寄ってミステリーと少年漫画買って、またベッドに戻る。

 エスカレーターからあの空間へ飛び移ることに、初めは練習が必要だろう。運動不足も解消されるさ。あと東京駅には美術館もある。東京駅内には東京ステーションギャラリー、愛しの三菱一号館美術館へ続く通路もある。最高じゃないか。
 夜中は凄く寂しいだろう。ディズニー帰りの人が落としていった、ミッキーのぬいぐるみと一緒に眠ろう。終電後の駅員さんの話を盗み聞きしよう。朝5時台には始発が出て、また人々がエスカレーターを利用し、騒音が起こしてくれる。想像すればするほど楽しい、伝わっていない可能性の方が高いが、書いていてとても楽しかったからいいや。

 ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。🛋️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?