心の輸血を考える
しばらく家から出られなかった。陽が落ちてようやく部屋着を脱ぎ捨てブラを装着して、ウォーキングをすることはあっても、午前中にえいやと気を起こして外へ出ることが叶わなかった。
ちょっとしたきっかけで気分はしゃんとするものだ。約1カ月家でExcelの訓練を行い通所は休んでいたが、先週の土曜日、やっと12時に家を出て通所を果たした。数時間ひと目につく環境でPCの前に張り付いた。疲れた。
私は貧血になったことが無いが、外に出ると輸血したいと思う。心の輸血だ。幅の広い歩道を延々と歩くのは好きだが、人混みで思うスピードで歩けないことや、閉鎖的な空間でリラックスできないこと、誰かのつまらない世間話が耳に届くことは嫌いだ。ぺしゃんこになった心に血を注がなければならない。
支援事務所の近くに高いカフェがある。カフェラテ一杯800円。オートミールバナナケーキが美味しかった。あそこへ行くのは輸血になるか?
猫カフェに行くのは?上野に良いところを見つけたのだ。平日の夕方から夜にかけて、あそこで過ごすのはきっと幸せだろう。幸せ過ぎて疲れそうだ。
それとも、さっさと家に帰って寝てしまうのが一番の輸血かもしれない。
お菓子でも買って帰って、何度も読んだ漫画をまた開いて、枕を高くして首を支えて浅く眠る。夕方の倦怠感は家でも外でも襲ってくるものだ。
また朝が来た。胃が痛い。
前に進んでいる実感はあるけれど、遅い。毎日決まった時間に起きて、「やだなあ」とボヤきながらも、ちゃんと支度して家を出る人間。社会に出られる人間にならなくては。ここ数ヶ月で達成できたことといえば、早寝早起きがにわかに根付いたくらい。起きれても、寝起きで着替えて急いで支度して外に出る気力は無い。
ホットココアを飲む。よく溶かしたはずだが、下にザラザラと粉の食感を感じる。今日は1日在宅でExcelの訓練だ。せめて、ちゃんとご飯を食べよう。
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