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《うつ病日記》診察って気がついたら終わってない?

「私うつ病なんです」「最近死にたくなることがあって」「いつ治るんでしょうか?」

 そういう場所だからと思えば、ためらいのハードルを乗り越えられる場合がある。お風呂屋さんで全裸になることも、婦人科の内診も「ここはそういう場所なのだから恥じらわなくてよい」と思える。
 しかし、場所が精神科となると話が別だ。さあ、個人的な苦悩を話しなさいと言われても、できない。そして、お医者さんの方も一日に何人もの患者を相手にしているせいか、こちらから引き留めないとさっさと診察を終わりにしてしまう。私は小さいころから不機嫌を抑えなさい、隠しなさいと教えられてきた影響で、心がドロドロしていても人前に立つと真顔になってしまう。
 話ができない・・・そもそも自分の状況を「とにかくすごく悪い」ってことしか理解できていないから、言語化できないのだ。それも、曇り切ったビニールシート越しのぼやけたお医者さんに伝えるとなると、いざという時嫌になってやめてしまう。

 ここ数日、限りなく底にいる。特に何があったわけでもないのだが。そうなんだ、何も起きていないのだ。1カ月遅れの生理が来ただけだが、他に何か起こったか?壊滅的に頭が働いていない。これから数日は、うつ病日記ばかりになってしまうかもしれない。それ以外の文章を書ける気がしない。
 ソファで昼寝をしたら、夜深くまで寝てしまった。もし私が1人暮らしだったら、もっとずっと眠り続けてしまうのだろうか。ずっと夢を見ているし、たまに意識が覚醒するのだが。起き上がることができず、うんうん唸っているうちにまた眠ってしまう。

 死について考えるのならば、図書館であれこれ本を借りて徹底的に死の哲学を学んでしまおうか。まあ、頭がぼうっとしているのでほとんど読めないんだろうけれど。こうして《うつ病日記》なんて書いていることを家族が知ったら、少なからず軽蔑されるだろう。そういう家庭で育ったということを、ここに残しておこう。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

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