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「服をキャンバスに。」ファッションブランドmuuc(ムーク)について

ファッションデザイナーの村松です。ファッションブランドの『muuc』や、ニット文化を広げるプロジェクト『AND WOOL』を運営したり、サスティナブルブランド『CARL VON LINNÉ』のデザイナーをしたりしています。

今回は、私が運営しているブランド「muuc(ムーク)」について詳しくお話ししたいと思います。

※stand.fm で音声配信していますが、下記に文字起こしをしました。

muucが表現する美しさ。2つの特徴

『 服をキャンバスに、気品と彩りを描く。』
歳を重ねても愛せる美しい服づくりを目指しています。

muucは私の人生と共にあるブランドといっても過言ではないくらい、思い入れも強くあります。ブランド運営は2005年からやっているので、ありがたいことにもう20年くらい経つんですよね。

まずはじめに、そんなmuucのブランドとしての特徴を2つご紹介します。

ていねいな手仕事の良さを味わう

大きな特徴の1つが、ものづくりにこだわり、テキスタイルや糸からデザインしてお洋服を作っている点です。

muucでは特に刺繍の入っているお洋服が人気で、その刺繍をデザインするときも、一般的に行われるような絵や写真からデザイン案を起こすのではなく、一度自分たちの手を使って刺繍をしています。

例えば、お花を刺繍したいと思ったら、まず実際にいろいろな形のお花を手刺繍で縫い、それを元に刺繍工場さんが再現できるようコンピューターで図案を作り直して、プロダクトに落とし込んでいきます。ちょっと手間のかかる作業ですが、手仕事だからこそできる表現を大切にすることで、特別感や優しさ、ぬくもりを感じていただける商品が生まれます。

それから、私自身ニットを専門に学んでいたこともあるので、ニット製品に関しても模様の編み方から自分たちで考えています。商品を作る際には、まず手編みで模様を作ってから具合を見ながらデザインを直し、量産できるように工夫しながら制作していきます。

このように、手仕事で一度デザインしながらも、機械やコンピューターを使ってその後のものづくりをしやすくすることで、良いものをできるだけお買い求めやすい価格に落とし込めるよう意識しています。

手仕事だけでものを作ると、すごくかっこいいものや特別なものができる一方で、制作に時間がかかり過ぎてたくさん作れないので、お客様にお届けするときに値段がすごく高くなってしまうんです。

手作業でしかできないことと機械にできることを切り分けてうまく併用すれば、こだわりの商品がたくさん作れて多くのお客様に届けることもできますし、価格も抑えられる、そんなメリットがあります。


体型によらず楽しめる美しいシルエット

もう1つの特徴として、muucでは、どのような体型の方が着ても美しく見えるようにすることを念頭に置いてお洋服を作っています。

小柄な方が着ても、高身長の方が着ても素敵に見えるように、シルエットにはすごくこだわっています。体のラインを強調して美しく見せるというよりは、布の分量をたくさん使うけど、ウエストを軽く絞ることができるようにしたりとか、洋服のパターンを工夫することで、形や体のシルエットにメリハリが生まれたり、逆にメリハリをなくすことで美しく見えるようにするものもあったり。そんなことを意識してデザインをしています。

muucの成り立ち

私はもともと服飾の専門学校である文化服装学院でお洋服について勉強し、卒業後はイタリアに留学する機会をいただいて、糸の会社で勉強をしたり、作品発表をしたりしていました。

イタリアに残るか日本に戻るか選択が迫られたとき、改めて日本で起業しチャレンジしたいと考え、帰国後は文化ファッションビジネススクールという文化服装学院のマスターズクラスのような学校に入学し直して、在学中の2004年にブランドを立ち上げました。

当時は学生時代の仲間3名で始め、私はディレクターという形で参加していて、デザイナーはまた別にいたんですね。ブランド名も、everlasting sprout(エバーラスティング・スプラウト)というちょっと長い名前だったんです。

「everlasting sprout」から「muuc」へ

ブランド名を変えた理由としては、everlasting sproutって名前は呼びづらいし、タグ付けもしづらいし、綴りもわかりにくいから検索しづらいし、やっぱりシンプルな名前にしようっていう、もう本当に最初に気づけよって感じなんですけど(笑)。そこに行き着いて、15周年のタイミングで思い立って名前を変えました。

なぜ「muuc」になったのかというと、まず第一に、検索しやすい、タグを付けやすいってなると、短いブランド名の方がいいなって思ったんですね。

なおかつ、私の場合、自分のデザイン感というか、世界観をそのまま服にしてるっていうようなタイプなので、自分の名前をブランド名に付けるっていうことしか思い浮かばなくて。

ただ、昔は個人の名前をファッションブランドに使っているケースも結構あったんですけど、最近は氏名を使った商標登録がかなり難しいんですよね。さらに、今すでに商標を取っているブランド名と一文字違うぐらいだと、やっぱり商標が下りない可能性が非常に高くて。そういったことを消去法で考えていくと、あんまり良い言葉が残っていない…なかなか難しいなと思いました。

いろいろ考えた末、やっぱり自分の名前を表すものがいいなと思い、私の名前「MURAMATSU KEIICHI」をギュッと4文字にして、「muuc」になりました。

2004年の5月に自分のブランドを仲間と結成したので、もうあと数ヶ月で20周年。そう考えると感慨深いですね。

本当に歯を食い縛ることの連続だったのですが、全然うまくいかなかったときに支えてくれた仲間だったり、たくさんのお客様に本当に感謝です。

これからも長く続けていきたいので、引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

『muuc / ムーク』 ブランド詳細

■ muuc
https://muuc.jp/

■ オンラインショップ
https://ever.theshop.jp/

■ Instagram
https://www.instagram.com/muuc.jp

【2024年3月恵比寿にて展示会を開催します!】
https://ever.theshop.jp/blog/2024/02/12/210000


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