『鎌倉殿の13人』第38回「時を継ぐ者」(2022年10月2日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

前回から引き続いてのいわゆる「牧氏事件」。時政とりくが伊豆に追放され、京の平賀朝雅が討たれ、義時が第2代執権職を引き継ぎ、鎌倉政権のトップに立った。すべて義時の企み通り。ドラマ中、政子が頼朝様にも慈悲の心はありましたと時政の命乞いをするのだが、そこら辺も義時の計算通りであったと思う。ただ、りくを完全排除(暗殺)しようとまで考えていたかどうかはわからない。ドラマでは暗殺者のトウを差し向けるが、失敗するという筋立てになっていた。

しかし平家滅亡後、あるいは頼朝死去後、ドラマ自体は御家人同士の争いや北条氏の内紛ばかりでスケールが小さくなってきていて物足りなさは否めない。脚本で盛り上げようとする努力はよくわかるのだが、小ネタで必死につなぎ止めようとしているの点が目立ち、ちょっと痛い。否が応でも絡んできた後白河法皇の大きさにあらためて気がつかされるのだが、この後、承久の乱のクライマックスまで後鳥羽上皇がどのくらい存在感を出せるかが鍵だろう。

りく、こと牧の方の演技は名演技であり、最後まで良かった。宮沢りえも大女優になったものだ。

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