『鎌倉殿の13人』第33回「修善寺」(2022年8月28日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

修善寺に幽閉された頼家。観念して大人しくしていればもしかすると命だけは助かったかもしれないのに……というのは、後世から見た感想に過ぎない。頼朝の長男として嘱望されつつ、本人も為政者として振る舞う意気込みはあったのだから、北条憎しで冷静な判断ができなかったのであろう。その意味で悲劇の「将軍」ではある。

『吾妻鏡』ではただ死んだという報せがあったとのみ記載され、その最期の様子はよくわかっていないが、前回登場の慈円『愚管抄』では「「修禅寺にてまた頼家入道を刺殺してけり。とみに、えとりつめざりければ、頸に緒をつけ、ふぐりを取りなどして殺してけりと聞えき」とある。「聞こえき」なのであくまで噂の類だが、本当だとすれば残虐な殺され方をしたわけである。三谷脚本はそれとはまったく異なり、善児対頼家、そしてトウがその両者にトドメを刺すという形で描かれた。

さて初代執権別当に就いた時政。調子に乗って武蔵国までその野望の手を伸ばしてきた。畠山重忠との対立が表面化してくるのであった。

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