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本と漫画とロックと妖怪とに埋もれて暮らしたい。妖怪みたいな小説書きたい。 「書肆鯖」…

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本と漫画とロックと妖怪とに埋もれて暮らしたい。妖怪みたいな小説書きたい。 「書肆鯖」絶版・ホラー漫画、怪奇・幻想・文学、その他変なのに目がないネット古書店です。 https://t.co/3CGdkN2Zbb 「こけかか」文章。http://kkkka.seesaa.net/

最近の記事

麺やメンマリズム★☆☆☆☆

sennin777 ローカルガイド・567件のクチコミ・1年前 麺やメンマリズム(ちょっと心配なのですが、合ってるよね???)・ラーメン【初めまして1回目】 ・ どーもー!らあめん仙人です😆 この間の健康診断結果でパワーダウン😭せざるを得なくなり、「毎日三食」から「一日一麺」へと座右の銘を鞍替えする、というアクシデントがありましたが、それでも定期実食も新規開拓も、まだまだ諦めませんよー💪 今回は、ギルド・麺帝(まだまだメンバー募集中!!とはいえ厳しい入団テストがあ

    • とおりのながめ

       旦那が撮ったのであろうか。小さい女の子と百々目鬼さんが手を繋ぐ写真を観、七郎太は「ウォーターパーク、よしの、ウォーターパァ、」とパァのごときになった。七郎太が口から漏らす言葉・彼の現状撒き散らす雰囲気は、端的に言って気持ちの悪いものであった。しかし、自室でマウスを痛打する彼が、そうした容姿・風体への客観的批評を受け入れる必要は今、全く、無かった。  七郎太はあまり人好きのする人間でなく、人付き合いも悪い。仕事から帰って来て、飯を食いながらネットサーフィンでもしよう、といつも

      • サバービア(独立室内楽)

        …ブーーーーン… 起きてるような寝てるよな 昨日をいつも繰り返す 「きっとよくなる」呪い(マジナイ)のように呟いて崩れ落つるビル眺め みんなが秋刀魚を焼く秋 敢えて俺は鯖を焼きに行く 行き着いた先は緩やかな海だった 此処は道楽者の海だ 逆柱いみりの描き込まれた世界にぽつねんと御座す猫 バスは鯖街道を下った 俺はかつての鯖と同じ道を往く 盆暗が壁に頭をぶつけてゐる 何時か光を視れると信じて 「でぃべいさー」と叫ばば世は スルリ、と片付き 闇の中 触って分かった君

        • 鯖神輿

          ・ある地方(本稿では仮に「A県」と呼称する)では輿の中に、神事(祭り)の直前の水揚げより最も大きい鯖の個体を、神事の為の皿に血抜き(内臓は処理しない)を施した状態で安置の上、担ぐ。 ・尚、「皿に載せた鯖」に合わせて、通常の神輿に比べると輿のサイズはかなり小さい。 ・神事が執り行われるのは毎年10月仏滅。尚、A県において「秋鯖は嫁に食わすな」は浸透した慣用句であり、これは鯖が旬である時期に最もその身に脂肪を蓄える為、嫁に喰わせると太って冬の間に働きが落ちるためでは無いか、と考察

        麺やメンマリズム★☆☆☆☆

          Subba Factory - Ω

           いまだ生まれいでざるもの、すべての純真無垢な、ほかと区別のつかない無のひとひらに告ぐ−−−人生にご用心。  いや、魚生というべきか。私は、魚生ならぬ人生に罹ってしまった。人生に罹り、意識を持ってしまった私は、少し群れから外れて水面に上がった。すると、聞き慣れぬ奇妙な鳥の鳴き声が聴こえた。 「プーティーウィッ?」  揺ら揺らと水面に泳ぎ上がった私の体は、その声に再び目覚めさせられ、群れの方へと戻される。けれども、人生を、生を考え始めた私の、小さい、そんな「無駄なこと」を考える

          Subba Factory - Ω

          Subba Factory - A

           ある朝目覚めると、自分が巨大な毒虫になっていることを発見した。  そんな風に外圧的に、日常を辞めても良いという許可が欲しい。工場勤務の辛さを知っている人間がどれほど居るだろうか。俺はAIが人間様の仕事を奪うというなら、本当に早く奪って欲しい。俺が生きて居る間に奪って欲しい。朝は5時に起きる。5時に起きる生活のせいで、夜遊びは出来ない。まぁ特に酒を呑むのが好きな訳でも無いし、女に金を使える程の金も無い。でかいテレビとかゲーム機とかコンポとか、色々なよく分からん機能の付いた冷蔵

          Subba Factory - A

          ウワン・フィアー・フィアー

          ●恐怖とは何か  恐怖とは。  人も動物も、成長過程で「自身」を確立する。自分なりの尺度・世界観・システムを自身の中に構築し、同じ失敗を繰り返さぬよう・同じ成功経験を手に入れられるよう、構築した「自身」に添って行動する。「恐怖」はその「自身を揺らす力」である。  此れは決して人間だけが持つ物ではないが、とはいえ、人間の申す「恐怖」と動物の持つ「恐怖」との間には差異がある。動物はホラー映画を観ない。動物は絶叫マシンに乗らない。動物はホラー漫画を読まない。  何故人は其れ程に、

          有料
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          ウワン・フィアー・フィアー

          ウブメ、サガミオリジナル、アンドソーオン

          こけかか『美ー畜』に掲載。http://kkkka.seesaa.net/article/449557351.html  拷問で一番痛いのは、爪を剥ぐとか出た腸を巻き取っていくとかではなく、二の腕をニッパーでバチン、とやるヤツだそうだ。こないだツイッターで回って来て、へー、と思った。肉体の痛みはそういう「一番痛い」みたいな定量化が出来るんだろうけど、定量化出来ない痛みは、どうやって人に伝えれば一番伝わるだろうか。と思ったけども、そういうことは言葉を尽くしてみても仕方がないし

          ウブメ、サガミオリジナル、アンドソーオン

          カイナデ・ウォーク・ディス・ウェイ

           左手の小指が旅に出た。  2・3日前からアトピーの様になり、痒くて堪らなくて、今朝起きて収まっていなければ医者に行こうと思っていたのだった。  起きると、小指に挨拶された。「やあ、お前の小指だよ。」口も無い、喉も無い、肺も無い、エラも無い(エラが有っても喋れる訳ではないだろう)、小指が、どうやって発声していたのだろう。  お前と俺の関係は不思議なもんだな。お前が「何かを必死で握る仕事」だったら、もっと俺の存在に感じ入ったのかもしれない。野球選手なら利き手側の小指が、バ

          カイナデ・ウォーク・ディス・ウェイ

          ヒトーバン・ヒトーバン

          こけかか『破゜ー竹 3号』に掲載。http://kkkka.seesaa.net/article/446538744.html ココアビスケットとココアビスケットの間にクリームが挟まってるヤツ、アレなんだっけ商品名、あのアレを割とお母さんが好きで、うちのおやつの常連メニューだったんだけども、あのアレをアタシは取り外してバラバラに食べるのが好きで、弟はそれを見て「またねーちゃんがバラバラ死体にしてる」とよく言われていたのだけど、今私の首は胴体を外れている。バラバラ死体と化して

          ヒトーバン・ヒトーバン

          夜の夢と寒さにおける体感についての論考

          こけかか『破゜ー竹 3号』に掲載。http://kkkka.seesaa.net/article/446538744.html かぎざぎの よたかの うたの 枯れ尾花 指先の 凍る速度の 雪化粧 太腿の まにまに流る ひとすじの 夕暮の 釣瓶落としの 生首の ざざ虫の 鳴き声響く 牧谿の トリステサ 風穴の あなたに揺れるの すすき野の 茶色さに カラカラ笑うの ささくれの 日々ひび割れの 酒のつまみ 夜も更けて 狩衣の 脱ぎ捨てた咆哮の 行先の 知れぬ旅

          夜の夢と寒さにおける体感についての論考

          マクラガエシ、アナザースカイ

          こけかか『破゜ー竹 2号』に掲載。http://kkkka.seesaa.net/article/440948217.html ・マリー ・お母さん ・ジョー ・裏の家のおばあちゃん  明日はお母さんの誕生日です。  マリーは一日考えていました。お母さんは何をあげたら喜ぶだろう。一週間前から何をあげようかな、とぼんやり考えていたものの、結局、明日が誕生日というところまできてしまいました。マリーは心優しい女の子でしたが、少しそういうところがあって、よく言えばマイペース、悪く

          マクラガエシ、アナザースカイ

          鉄塔に歩く

          こけかか『破゜ー竹 2号』に掲載。http://kkkka.seesaa.net/article/440948217.html 「あつくなっているのでさわらないでくださいやけどします」 鉄塔に貼り紙がなされているのだけれど問いですか甥ですか傷を負い翁ですかそれでも追うですか やがて年を取り、都市に降るのでしょう、鉄塔から都市に降るのでしょう だけれどもヤケドは追わせるのでしょう頑なにあなたに歩かせるのでしょう 鉄塔に太陽が照って照ってテッテ的にてっててって鉄塔があつ

          鉄塔に歩く

          虫の生活、虫の一生、風を切る、という話

          ロシアの作家にペレーヴィンという人がいて、まぁまだ2冊くらいしか読んでないのであんまり作家の総評みたいなことをすべきではないんだけども、『恐怖の兜』と『宇宙飛行士オモン・ラー』を読む限りでは、純文学の人、幻想を書くことで幻想を打ち破ろうとする人、という印象の人。どっちも誰にも勧められる作品という訳ではないけど、人の創造の力・想像の力を信じられるグッドな小説だと思うのです。不条理感を浴びせられることで、良い匂いのする液体を浴びせられて恍惚に打ち震える様な性癖の人間は是非読んで欲

          虫の生活、虫の一生、風を切る、という話

          本はなんで買うのか、底には更に底がある、物語は誰かを救う、という話

          あるお客様から「何のために本を買うか」という話を聞いた時のこと。2月くらいだったか。 どんな本・漫画を読むのか、という話になった時に、そのお客様が仰られたラインナップが凶悪で、山野一・安達哲・蛭子能収・山田花子・丸尾末広・早見純、とまぁー漫画ばかり出て来る上に、目を背けたくなる様な暗さを感じさせる漫画家さんばかり挙げられるんですよね。 ・・・まぁ俺も大好きなラインなので話が非常に合ったんですけど。 で、なんでそんなイヤな気持ちになるようなものを読むか、ということなんです

          本はなんで買うのか、底には更に底がある、物語は誰かを救う、という話

          ツイッター、八九時真宵、空洞、婆の作る世界

          Twitterというのがある。  これは140字以内の短文をインターネット上に掲載して、人に見せたり見たりして悦に入る、というWEBサービスの一環なのだけれど、僕にはよく分からない、まるで魔法の様な「プログラム」なるものがあって、インターネット上にはそのプログラムを走らせることで、火が点く・人工生命が生まれ出づる・世界の人間と渡り合うなど、魔法の様な事象が起こせる。らしい。らしい、というのは僕にはそれを再現する能力が無くて、せいぜいこうしてつらつらと文章を書き連ねるくらいの

          ツイッター、八九時真宵、空洞、婆の作る世界