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またひとつ経験値が上がったかな

ちょっと不思議な体験だった。

議会の広報誌を編集していて、
わたしはわたしが書いた記事に添える写真のキャプションに、
写っている人の名前を書いていた。

先輩議員から、それはNGだ、と。
キャプションに人の名前は載せないことになっている、と。
その理由は、売名行為になる場合もあるからとか、よくわからなかった。
今回の記事はその可能性はないし、写真にもない、写っている人物にもない。
きっとその昔、そうした行為をした議員がいて、
それで広報誌編集の決まりとして、
キャプションに人の名前は載せない、となったんだろう。

じゃあ、釜石出身の有名な将棋指しがいて、
将棋などの記事を書いて、その人の写真を使ったときのキャプションでも、
その棋士の名前は書きませんか? と聞いてみた。

写真のキャプションならまだ寛容になれる。
でも、編集を進めるうちに、記事の本文に名前が出るのもダメだ、と。
その人に直接クレームが行くかもしれない、
だから所長とか局長とか課長とか、肩書だけにしましょう、となった。
それは違うんじゃないかな、と思った。
その記事にはクレームがくる可能性はないし、
そもそも所長とか局長とか肩書書いても、電話で「局長だせ!」ってクレームはつけられる。
そういうふうになりませんか? と聞こうと思ったけどやめた。

ルールがあるならルールを守らなければならない。
わたしたち議員は、ルールメイキングが仕事でもある。
ルールを変えるのならば、ルールを変える場をつくって、
そこで議論すべきであって、
編集をするための場でルールを変えろ云々するのは、それは場違いだ、
ということをわたしは、議員になって最初のころに教わって、
それもそうだと納得した経験がある。

だから今回も、そういうルールがあるのなら、この編集の場では争いません。
だけど、ルールを再考する場を設けてください、とお願いした。

だから冒頭の、ちょっと不思議な体験だった、という書き方はおかしいな。
またひとつ経験値が上がった、が正しいかもしれない。