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盗みグセのある人にカフェのレジを任せてみた

社会福祉協議会の研修会でのエピソード。

ある初老の人が職を探しに来た。
住民票も健康保険証も持ってなかった。
生きるため暮らすための「制度」にかかわったことがなかった。

社会福祉協議会で受け入れ、
しばらく働いてもらった。
やがて、その社協は新しくカフェをつくった。
地域ケア、地域再生のための、空き家を利用したカフェだ。

その男の人は、カフェのレジ担当になった。
男の人には、人からお金をくすねるクセがあった。

盗癖がある人をレジに?

カフェで働くメンバーも社協の人たちも、彼のことを信用していた。

はたして、彼はレジからお金を盗むことはなかった。
お金を稼げるようになったから、
お金を盗む必要がなかったから。

盗癖は、その人に固有についているのではなく、
そうしないといけない環境によるものだった。

この男の人は、いまや特別養護老人ホームに暮らしている。
住民登録をし、社会保険に入り、
生きるため暮らすための「制度」をきちんと利用できるようになっていた。

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なんかこんな感動のエピソードトークのあとに、
100分もしゃべるのイヤだな〜、と思った。
でも、テーマは「まずは関係性の構築から」。
ダニエルキムの成功循環モデルを紹介する講演だったので、
なんとなくそのエピソードにつながって事なきを得た。