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あとは火の付け方だ

「10年目の地方創生 もう一回やり直しを」
というインタビュー記事が河北新報に載っていた。
(6月18日付)
石破茂元地方創生担当大臣へのインタビューだった。

2014年6月、安倍内閣の成長戦略のひとつとして、
「地方創生」が始まった。
その年9月、内閣改造で石破さんは初代の担当大臣になる。

石破さんは、三白眼を上目遣いにしてちょっとコワモテなんだけど、
いってることは日本の政治家の中でたぶん一番マトモで、
コワい顔のまま冗談をいったりする、
とってもチャーミングで鉄道オタクな人で、
大隈塾にも何回も登壇していただいたし、
田原総一朗さんも心から信用している国会議員。

その人が、地方創生について語っている。

地方創生が始まったきっかけは、
2014年5月の「増田リポート」
出産適齢期の女性が減ることによる人口減少、
出生率が低い東京への人口流入が止まらない、
そうした状況をデータで明らかにし、
「地方消滅」「消滅可能性自治体」を実際の地域名をあげて示した。

「日本中の自治体がすごく沸き立っていた」(石破さん)

しかし翌年、「一億総活躍社会」というイケてないフレーズがでてきて、
地方創生はだんだんとしぼんでいく。
福島県国見町のように、民間企業に丸投げしてしまう自治体もでてきた。

それぞれの市町村であらゆるセクターが参加する地方創生チームみたいな形をつくり、地域一体で口角泡を飛ばす議論をし、戦略を手作りしてほしいと相当お願いしたつもりだった。やりっ放しの行政、頼りっぱなしの民間、無関心な市民が三位一体となると地方創生は失敗する。

河北新報2023年6月18日付

「もう一回やり直さないといけない」
と石破さんはいう。
『お任せ民主主義』では何も変わらない」

釜石では市民62名からなる「かまいし未来づくり委員会」を立ち上げ、
分科会に分かれてダイアログを繰り返し、
1年かけてまちづくりのプランをつくって、釜石市に提出。
釜石市はそれをもとに、「第6次総合計画」をつくった。

「一人ひとりが学びあい、世界とつながり未来を創るまちかまいし」

というスローガンが、計画書の表紙に刻まれている。

総合計画は2021年からスタートし、
2030年に完了することを目指している。

「『あの地方創生が始まったときのワクワクした思いをもう一回やりたい』と私に言ってくれる人もいる。あとは火の付け方だ」(石破さん)