Valorant大会観戦記 その1 ZETA対DFM戦

4/16に開催されたValorant APACリーグのZETA vs DFMの観戦記およびレビューです。
初投稿ということで今まで観戦したレビューも踏まえつつちょっと気合を入れて書いてみようと思います。
試合レビューは選手視点で得られる情報のみでレビューしていくつもりです。
それは次回以降(あれば)のレビューでも変わりません。
神視点の大会カメラ情報をもとに見ているこちらしか分からないことであーだこーだとプレイングをレビューするのはナンセンスだからです。
ネタバレ注意 この観戦記では試合結果が含まれています。もしまだ見てない人は試合を見た後にどうぞ。

試合全体を通したレビュー

ZETAはAPACリーグで試合を重ねるごとに修正が見られてきておりこの試合では割と自分たちがやりたかったことが出来た内容だったのではないかなと思います。
DFMは2MAPともhalfまでにZETAにラウンドを多く取られてしまい苦しい展開でした。ちょっとやりたいことが見えなかったというかZETAに押し切られてしまったかなという印象です。

ZETAのマクロの非常に気になる点

さて本題です。
今回の試合でもZETAの試合運びで非常に気になる点がありました。
この内容はAPACリーグ初戦のDRX戦でも見られていたり、もっと前からそうだったかもしれないなと思います。(古い記憶は薄れがちなので曖昧です。)
単刀直入に言うと、Atackerサイドでローテートを交えたSLOW進行で時間ギリギリにサイトへエントリーをしていたということです。
これ、何が悪いかというと決定的なアンチムーブが有るので弱いんです。

なぜ時間ギリギリは良くないのか

これは非常に明快です。
APACリーグ初戦のDRX戦のアセントでstax選手にきっちり咎められていましたね。
DFM戦と同じくDRX戦でもアセントAサイトへShortからSLOW進行で時間ギリギリにエントリーしようとする場面が有りました。
ここで何が起きたか。

stax選手の答え

いくらSLOW進行でもラウンド残り30秒の時点ではエントリー準備をしてエントリーを開始していかないと時間切れが懸念されます。残り30秒に近づいてくるとそろそろエントリーしに来ないと間に合わないよねというのはDiffender側でも分かりますね。
そのタイミングの少し前にはエントリーをするつもりのサイト手前に人数が集まっているということも自明です。
そこでstaxはAshortに向けてKAY/Oのナイフを投げました。
このナイフに映ったためZETAのAshort進行はDRXに知られることになりました。
仮にここでB狙いでありA Shortへのナイフに映らなかったとしてもアセントのようなサイトが2つの構造のMAPでは逆のBサイトに行くだろうというのはバレていたでしょう。
(このときDRXがA longを抑えていれば確定です。抑えていたかどうかは試合は再確認しないと分かりませんが・・・すいません、チェックしていません。)
staxはAサイトにもMidにもBサイトにも反応が無いという情報をこのナイフを投げる前に得ていたでしょう。
反応が無いまま時間は過ぎていく。
そこでこのナイフに至ったと思います。
情報が無いという情報をうまく生かしました。
この後のDRXは全てのスキルを惜しみなくZETAの進行にぶつけてきますがZETAはそれでも行くしかありません。
もちろんこのラウンドをZETAが取ることはありませんでした。
このように別サイトにローテートする時間が無いタイミングでは少し前に索敵し、そこでサイトを特定してスキルを惜しみなく撃つというのが単純なSLOW進行へのアンチムーブです。

staxの細かいプレー

staxはそれ以外にもSLOW進行に効くムーブをしていました。
ZETAはA Shortのガーデンを遮るスモークを炊いてAサイトへ進行しようとしますが、staxは走りこんでいる足音を聞きつつ単独でスモークの中から出てA shortへプッシュします。
結果的にこのムーブでキルを重ねることが出来ましたが例えキルを取れなかったとしても期待値は高いのでやるべきでしょう。
時間たっぷりの状況ではこのような単独勝負は弱い(きちんとケアされている可能性が高い)ので避けるべきですが時間ギリギリで余裕が無い場合はこういうイレギュラーなプレイが刺さる可能性が高まります。

もしやるとすれば

このようなSLOW進行をする場合は最終エントリーの直前に位置バレするのを防ぐために、初動の次のセカンドアクションで索敵スキルを吐かせておく必要があるでしょう。
必要があるというか必須ですね。
例えば初動でBにアクションを起こし、セカンドアクションでMidにアクションを起こしそこで索敵スキルを吐いてきたらAorBへローテートしてエントリーというような流れです。
間のセカンドアクションを省略するとDRX戦のような結果になります。
このMidへのセカンドアクションで相手がスキルを温存してくるようだといろいろと展開が変わってくるとは思いますが。

IGLの役割

DRX戦のこのstax選手のナイフのようなプレーに出会ったら、IGLはそのプレーを生み出した相手の考えを理解する必要があります。
IGLは単なるタイミング合わせのコーラーではありません。
自分たちのアクション(又はノー・アクション)に対して相手はどんな反応を示したか、あるいは示さなかったか。
相手はどのくらい自分たちの動きを理解しているか。
それを受けて自分たちはどう動きを変えるか。
残念ながらDRX戦ではナイフの後も似たようなムーブが続いたように思います。

終わりに

試合自体はDFM相手に勝ちましたが、このDFM戦でも初戦のDRX戦で気になっていた点が出ていたのでもしもこの試合がDRXとの再戦だったらというようなifを考えてみると初戦と同じ結果になったのではないかなと想像しました。
なんだかDRX戦のレビューのようになってしまいましたが、どちらも一連のAPACリーグ戦なので全く無関係な試合ではないし、今後勝ち進めばDRXと再戦する可能性があるのでよしとしましょう。
再戦ではこの点が無くなっていると良いなと思います。


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