IGLって何だろう?

爆破ルールのFPS(CS:GO、Valorantなど)におけるIGLって何だろう?
何をするものなんだろう?
というお話です。
どのチームもIGLを置いていると思いますが、日本のValorantで言えばこの役割が上手く果たせているチームは非常に少ないと思います。
やることはざっくりと3つの段階に分けられると思います。

①相手の情報を得ること


爆破ルールのFPSではラウンド開始時点で相手の配置はお互いに分かりません。
ラウンド開始と同時に両チームはそれぞれ狙いを持って動き始め、動くことによって相手に情報が渡っていく、そういう流れで試合が進行します。

②得た情報から相手の狙いを考察する


情報を得たら相手の狙いを考察するのが次のステップになります。
そして3つのステップのうちで最も重要なところです。
これをちゃんと出来ているかという段階で既にほとんどのチームがふるいに掛けられているように思います。

情報を得たら次の視点で相手の狙いを整理します。
・人数配分(どこを何人で、もっと言えばどのエージェント構成で攻めるか、守るか)
・相手の狙っているエンカウントライン(防衛側で言えば防衛ライン、攻撃側は戦闘を想定してスキルを出すライン)
・伏兵(どのエージェントが見えていないか)
・Valorantの場合はスキルの発動(リキャストまでの時間、スキルの配置など)、CSGOなら投げ物の使用状況
・タイム消費の仕方(ラッシュか、何かを待っているか)
・アクションのトリガー(何の情報をもとにアクションを起こしたか)
・前のラウンドとの違い
・その他、相手の特殊な行動
これにマップの構造やマネー状況、ラウンド状況を加えると選手視点であっても多くのことが分かると思います。

残念なIGLの例

③相手の狙いに刺さるムーブをする


先にレビューしたZETA vs TALONでキーとなった6R目の例で解説します。

・情報の取得
防衛のTALONは初動でAロングに3つのスキルを出してAロビーまで取得しました。
これはスキル発動音もあるしエージェントの位置も分かるスキルだったので音を聞いていれば分かったはずのことです。
対して攻撃のZETAは(レイズUltが上がっていたので警戒したか)初動はSlowで相手のアクションを待ちました。

・相手の狙いの考察
この時点でレイズ、ブリーチ、スカイでTALONはAロビーまで取得、見えていないエージェントはオーメンとKJ。
TALONの狙いとしてはAサイトはAロビー入り口を防衛ラインにすることが出来ました。
Aロビーの構造はロングに複数の射線を置くことが出来てサポートがしやすいこと、敵の入り口が1か所しかないので入れ食いにしやすいことが特徴です。
さらにはロングからスキルを入れたサポートがAショート側に回ることでクロスを組むことも出来ます。
ここに後から突っ込むのはスキルを吐いたとしても事故が起こりやすいと言えるでしょう。
ヘイブンのBとCは設置後に引いて解除阻止が強い構造になっているので1人または最大3人まで設置後の引き守りにぶつけることが出来ます。
Aロビーに突っ込んでくるなら3人で処理する、Aを諦めてあるいは初動からBorC狙いならKJのアラームボットやタレットで進行を把握しつつ裏取り狙いを考えていたと思います。
オーメンとKJの2人では設置を妨害するのは困難です。
結論としてはリテイク狙いが濃厚な初動です。

攻撃側としてはこの段階でどのような判断をするのが合理的でしょうか。

Aは設置まで行く前にAロビーで事故が考えられる、(オーメン、KJの2人守りのため)BorCは設置までは通るだろう可能性が高いことを考慮するとBorC展開が合理的ではないでしょうか。
そしてBorC設置で裏取り警戒を厚めに(防衛リスポーン側には設置後早い段階ではオーメン、KJしか居ない)リテイクに対応でしょう。

試合の例で言うと、ここから攻撃側のZETAはAロビーにソーヴァのドローンを流しつつAロビーに進行を開始しました。
ドローンはブリーチがピークして潰します。
ZETAがこのときどう判断していたかは分かりませんが、この状況でAロビーに進行するのは初動はAロビーまで抑えられたが反応が無いと思ってTALONは引くかもと思ったのでしょうか?

結果はAロビーで止められラウンド取得失敗となりました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?