Valorant観戦記 その3 APAC LCQ Gen.G vs TALON

なかなか印象的な試合を見たので久々の観戦記です。

総括

APAC LCQ Gen.G vs TALONの1戦、その2MAP目のSplitです。
初めにまとめから書きますが、何が印象的だったかというとお互いに相手の出方を把握してその動きに対応していくという展開だったのが興味深かったです。


前半

先攻はTALON。
序盤の6R目終わったところでタイムアウトを取ります。
6R終了時点で4-2でGen.G有利なラウンド数になっていますが、ここまでのTALONの動きで注目すべきところがありました。
6R終了してGen.Gのフルバイラウンドはそのうち3R、その3RをTALONはAサイト、Mid、Bサイトと全て違うところを攻めます。
TALONは相手の守備配置、アクションの特徴を調べに行っている動き方でしたね。
そしてタイムアウト。
タイムアウト後のTALONはAヘイブンへの攻めを主軸に組み立てます。
既にGen.GはMeteorがオペレーターを出し、これまでGen.Gの防衛はAサイトで開幕にセージが壁で入り口に封をしていました。
壁を作ってしまうとオペレータで覗いてFBを取れない、
オペレーターがAには居ないので取りやすいという判断だったでしょう。
Gen.Gの防衛戦略はその通りでBまたはMidはオペレーターで押さえ、Aはセージ壁で封をしてアクションを見るというものでした。
ここからTALONはAサイトヘイブンを狙ってからAサイト攻めという戦い方を軸にしていきます。
相手が明け守りというのも分かって来たので速い速度でのAサイト設置まで行く動きを続けますが、Gen.Gはそれを把握してAサイトのアクションですぐにBとMidのメンバーが寄る対応をします。
11R目にはGen.Gのリテイクが相当に早くなってきていたので12R目には簡単に寄らせないように一旦MIDからBへのルートにアクションを掛けるなどよく相手の動きを見て牽制をしていました。
結局、タイムアウト後はお互い3本づつ取得、つまり5分5分のラウンド取得で前半終わって7-5。
どちらかというと守り有利のMAPでタイムアウト後はイーブンの取得本数になっているので相手の守備戦略をTALONがよく的確に突いたと言えるでしょう。
ここまで、序盤のGen.GリードからTALONのAヘイブン攻略、これを受けてGen.Gが早い寄りで応酬してさらにTALONが早い寄りへの牽制というように相手の考えを把握してそれに対応という目まぐるしい流れになりました。
どちらのチームもIGLが的確に相手を観察し、対応策をすぐに繰り出していましたね。
TALONは動きにこれといった特徴を見つけるのが難しいチームと思っていたのですが、今回の試合でよく分かったのはTALONは相手への対応型のチームだということです。
予め用意してきたものをエイヤはなくて相手をよく観察して攻略しやすいところを攻めるというチームです。
APACリーグ戦ではZETAはいつの間にかTALONに負けているという結果でしたが、それはこういうところが理由だったでしょう。
どうも相手が上手くラウンドを取ってきているなと思って動きを変えても次のラウンドにはTALONがまた対応してくる、そういうチームです。

後半

後半はTALONの防衛はB入り口に積極的に前押ししてラインを押し上げる防衛でBの入りを押さえてラウンド取得を重ねます。
これに対し、Gen.GはBの入り口で何度か跳ね返されラウンドを落としたことによりBに人数を掛け前線を押し上げて防衛をしているというTALONの戦略を把握しA主体で攻めます。
これは上手い対応で、Bの前線を押し上げるために人数を使っているのでAに攻められると押し上げた位置からのローテートが大忙しになります。
Gen.Gが上手かったのはBの入り口手前にも最初にアクションを掛けていたところでした。
Bにアクションを掛けてから走ってAに展開するので、どうしてもTALONは寄りのスピードで後手に回ったのが苦しいところでした。
Gen.Gの防衛がどうだったかという比較をするとGen.Gはサイト内深いところでMeteorのオペレーター守り主軸なので防衛のローテートがTALONの防衛のローテートと比べて距離的にも短く速かったんですね。

後半のラウンドでGen.GにAへの早いローテートを見せられてもTALONは人数を使って前線を押し上げたB、さらには初動でアクションがあったところをさっさと放棄する訳にも行かないという判断だったと思います。
Gen.Gはこの基本路線で後半優位にラウンドを重ねていき最終的にGen.Gがマップを取得しました。
エリア取りが逆に敗因になったという結果ですね。
エリアを取っているつもりだが結果的にはエリアを取ったのではなく取らされて自分たちのローテートを鈍らせて阻害していたということになりました。
日本チーム、それだけでなく日本の解説陣なども爆破ゲーはエリア取りゲームと考えている人が多いので非常に面白いGen.Gの戦略でした。

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