見出し画像

鯉こく作ってみた

鯉こくという料理をご存じでしょうか?
簡単に言うと、長野県の郷土料理で、
鯉を使った味噌味のスープです。
滋養強壮にいいとされていて、
お料理屋さんで食べると1万円以上するとか。
神戸は海が近くて、
海の魚は時々食べたいときに釣って食べるけど、
川や池の魚ってなかなか食べない。
川や池って釣りだめなところ多いし、
身近に川があっても、生活圏近いと川の水が濁っていて、
食べる気がしない。
それがなかなかよい鯉がやってきたので
知人のお宅で仲間と作った。
これがなかなかの作業工程で、
まずごぼうや生姜を大量に切る。
たっぷりのごま油をしいてごぼうをしっかりと炒めて、
番茶の出しがらとともに煮る。
鯉をぶつ切りにして投入し、
生姜も一緒に入れて、
5時間以上煮続ける。
それくらい煮ると鯉の骨も鱗も柔らかくなって
どこに行ったの?というくらい溶けてしまう。
溶けるくらいに煮るためには火力が重要なので、
山からとってきた薪を大量に使用し、ぐつぐつ状態を保ち、
さらに火で真っ赤に焼いた石を鍋の中に入れる。
石を入れると背の小さい噴水のように
湯が沸きあがる様子は見ていて圧巻。
これを地獄炊きとかいうらしい。
最後の方はこれを15分おきに繰り返して、
出過ぎた灰汁はその都度とり、
煮ること数時間。
最後にこれまた大量の豆味噌を投入して味を調える。

天然の鯉をきれいな水で数日泳がせた鯉を
牛蒡や生姜と一緒に煮ることで
川魚独特の臭みは全く気になることはなく、
この上なく濃厚なスープは絶品。
冬はおいしいもんが多いが、いやーいい。
食べると体からパワー湧き上がる感じ。
昔の人は母乳が出ないときに飲んだというから
母乳出したことないし、
これからも出すことはないだろうけど、
胸が熱くなる感覚は十分に体感できた。

余談だが、焚火をすると、体中に煙の香りがまとわりつくのだが、
実は昔からこの香りが大好物。
あぁ、洗われた(←何が?)って感覚になる。

地獄炊き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?