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そっちはどうですか、こっちはまぁまぁかな

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この日は自分にとって忘れられない日です
あの日を振り返ろうと思います

今から書くことはnoteで世の中に公開する意味は全くないし、公開する必要もない
まして書き始めてから何週間も経っている
でも、改めて自分自身でも整理するためにも、頑張る活力にもなるので書きます
これを見て頑張ろうと思ってくださればなおさら嬉しいです






あの日はチーム内の紅白戦でした
朝は早くから起きて、試合の準備をしていました


(あと30分したら家を出ないと)
(スパイクとユニホームと脛当てあればとりあえず大丈夫か)
(あ、あと20分)


そんなことを考えていたとき、急に弟から電話が来た




こんな朝早くから弟から電話が来るのはビビるし怖かった



嫌な予感は当たった
心臓がうるさかった、頭が真っ白になった




父親が亡くなった




突然のことで電話の向こうもパニック
母親の叫ぶ声、震える弟の声
とにかく、自分は状況を何とかさせようと弟と話した
親戚に連絡しないと
今から新幹線乗っても3時間はかかる
状況が状況だったので悲しむ暇なんてなかった



急いで院生コーチと監督と主務に連絡して
おそらくすぐ帰ることにはならないことも伝え
何も持たずに家を飛び出した
財布と携帯と充電器しか持ってなかった



爆速で自転車を駅まで漕いで電車に乗った
電車の中でやっと今起きたことの意味を理解した気がする




(え、まじかよ、お父さんが亡くなったの)






電車と新幹線ではずっと下を向いていた
後悔だけが頭をよぎる



正直、父親のことはあまり好かなかった

だから高校生くらいから疎遠になっていた

ちゃんと会話したのいつだっけな

大学受かって思わず父親の部屋に走っていったがそんな喜んでくれなかったな

俺、ちゃんといってきます言ったっけな

ああ、もっと話したいことあるのにな

社会のこと、仕事のこと、昔のこと、もっと話聞きたかったな

育ててくれてありがとうなんて一回も言ってないや

ああ、何やってんだよ



実家に着いたのは大体2時間半後くらい
自分は亡くなった父親の顔を直接見る勇気はなかった
自分の心がもたないと思った

疲れ切った弟と精神的にやられた母親は別の部屋にいた
弟には、1人でよく頑張った、ゆっくり休んでと言って
自分が代わりに母親の背中を宥めた、宥めるしかなかった
母親がこんな姿になるのは見たことがあるだろうか
こんな突然亡くなるなんて誰も思わなかったから、ショックは大きいだろう

親戚の皆さん達も来てくださり、お葬式の手続きなどもろもろ行い
なんとか状況は落ち着いた
我が家の雰囲気は暗かった
家の中はぽっかり穴が空いたような、そんな気がした



世に過去の父親の愚痴を言っても仕方がないから話さないが
うちの家庭はいわゆる熱血子育て系母親と放置系父親で2人の関係は良好とは言えなかった



自分も父親とは良好な関係を築くことはできなかった
自分が中学生くらいから父親は素行が悪くなり、お互い心の扉を閉ざしてしまった気がする、少なくとも自分はあまり関わりたくなかった
反面教師にしようとばかり思い、逃げていただけかもしれない


家族と父親には距離があり、そのストレスもあったのかもしれない


過去は取り戻せない、いつから病弱になっていたのか自分は知らない
とにかくみんな立ち直るには時間が必要だった




お葬式までの時間で父親の遺品整理や昔話など父親の知らないことをたくさん聞いた
父親は18歳でバーテンダーになりたくてアメリカに1人で飛んで20歳だからなれるわけなくて古着屋さんで下働きして、地元でその服持ってきてお店開いちゃうなんていうとんでもなくすごいことしていたのに全然話してくれないじゃん、ふざけんなよ笑
昔の写真を見返していたら意外と小さい頃は一緒にいる時間あったなと。
一緒にあそこに行ったなあ。間違いなく俺の人生には不可欠な存在だった。






お葬式当日

お葬式では涙が止まらなかった

謝ることしかできなかった

後悔しかなかった

もっとちゃんとお話がしたかった

「最近学校は楽しいか?」しか会話しないんだもん

もっと将来についてとか深い話たくさんしたかった

社会の先輩として教えて欲しいことはたくさんあった

ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう

やり直したい、悔しい




俺があんたの分まで生きて

胸はって俺頑張ってるぞ、見てるか

って言ってやる




別れを告げたが、まだまだ心は引きずっている
一生果たせない想いなんだろうなと、背負って生きないといけないだろうね








お父さんへ

元気ですか

そっちはどうですか


こっちはまあまあかな




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