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小説

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僕が執筆してきた小説集。ご意見・ご感想をおまちしています。
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記事一覧

『遺体を焼く仕事』

1  僕は遺体を焼く仕事をしている。火葬場には毎日たくさんの遺体がトラックで運ばれてくる…

ひかる
1年前
3

『猫の訪れ』

1 時々、私は菓子作りをする。  今日はマドレーヌを焼いた。オーブンの扉を開けると、その…

ひかる
2年前
9

『犬をサッカー場から連れ出す仕事』

 ぼくはサッカー場に入ってきた犬を連れだす仕事をしている。サッカー場にはたくさんの犬が入…

ひかる
4年前
2

『私生活』

 気が付くと俺は平たい石の上で横になっていた。背中の骨がごつごつと当って痛かった。そして…

ひかる
4年前
5

『クリスマスと蜘蛛』

 クリスマスの日に、しばらく会っていなかった友人から電話が来た。彼は人を殺したと言った。…

ひかる
4年前
2

『蛍』

 「出会い」    僕は大学生のころ、とある文化系のサークルに入っていたことがある。卒業ま…

ひかる
4年前
6

『金属の箱とソファー』

 私はソファーに横になって、グラスいっぱいに注いだウイスキーを飲みながら、本を読んでいた。これが私の休日の楽しみなのだ。この上等なソファーに体を預けて、好きなことをする。心休まる時であり、至福の時でもある。  ソファーの質はピンからキリまでさまざまだ。そして世の中にはハイレベルのソファーはあまり出回っていない。しかし私の持っているソファーは文句なく一流品だ。過去に知人から譲り受けたものだが、彼もまた私と同じように、世間にはびこっている造りの悪いソファーを嘆いていた。良いソファ

『クジラ姫と悪質電波』

本作品は、短編小説集『クジラ姫と悪質電波』の中の一作品となります。 クジラ姫と悪質電波 …

ひかる
5年前
2

『ローランの遺体』

本作品は、短編小説集『クジラ姫と悪質電波』の中の一作品となります。 クジラ姫と悪質電波 …

ひかる
5年前
1

『追憶の浜辺』

本作品は、短編小説集『クジラ姫と悪質電波』の中の一作品となります。 クジラ姫と悪質電波 …

ひかる
5年前
2

『豊潤な夢、痩せこけた獣』

 最近、私は夢を見なくなってしまった。それは私にとって受け入れがたい事実だった。私は夢を…

ひかる
5年前
1

失われた兎たち

 私は兎(うさぎ)が大好きだ。あの愛くるしい見た目がたまらない。目はくりっとしていて純粋…

ひかる
5年前
1

『ガラス張りのトナカイ』

「君も図書館に初めて来たの?」、僕は驚きを隠せずに聞いた。  女の子は不安げにうなずいた…

ひかる
5年前
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