ウェルカムランチの極意

 みなさんこんにちは。ひかるです。
 私は普段、一般的な会社員をやっているわけですが、時に弊社に入社される方を出迎えることがあります。
 通常はリモートワークしているので、社員と対面で会うことはあまりないのですが、こういった新入社員を我がチームに迎えるときなどは、やはり対面で色々お話したいので出社することがあります。

 さて、新入社員の入社初日と言えば、ウェルカムランチです。ウェルカムランチはすばらしいですね。会社からお金が出て、新入社員と一緒にご飯が食べられるわけですから。タダ飯最高!

 と言いつつ、ほとんどの場合、新入社員と我々は「その日が初めまして」の状態ですので、そういった初対面の方と一緒に昼食を取るというのは、それなりに気をつけることがあります。

 今回は私が個人的に気をつけていることをご紹介します。


1. 適切な店選びを事前にしておく

 ウェルカムランチにありがちなのが「◯◯さん、お昼の時間になったのでご飯食べに行きましょう! なにか食べたいものあります?」「あ、いや、なんでもいいですよ」という会話です。なんでもいいといいつつ、ここで本当に行き当たりばったりに店を選ぶのはけっこうリスキーです。例えばお店が超人気店ゆえに混雑していて入れないという可能性もあります。また、お店には入れるけど、すごくガヤガヤしていて落ち着いて会話できない、というのもありますね。カウンター席しか無い殺伐としたラーメン店なんかも避けた方がいいかもしれません。
 つまりウェルカムランチを控えていたら、良さげなお店をあらかじめリストアップしておいたほうがいいでしょう。しかし「たまにしか出社しないのに、会社の近くの店なんか知らないよ!」と思うかもしれません。そうしたら他の社員に聞いてみましょう。エンジニアであれば、Engineering Managerに聞けば、ウェルカムランチを何度も経験しているはずので、オフィスから近くで雰囲気が良さそうな店を知っているはずです。
 あるいは単純に「デートに向いている、近くの店」で検索すると良いでしょう。そうです、ウェルカムランチに向いている店と、デートに向いている店は近しいところがあるのです! 静かで、落ち着いていて、ゆったりと座れて、きちんと会話できるところ……カフェとか和食のお店とか。たいていのお店はランチをやっていますし、値段も手頃(どうせ経費ですが)ですので、ぜひそういったお店を探してみましょう。

2. 新入社員の情報をあらかじめ調べておく

 当然ですが、その日が「初めまして」の関係だと、いざウェルカムランチを出迎えても「何を話したらいいんだろう……」とお互いに緊張してしまい、会話が生まれません。ウェルカムランチはたいてい複数人でやるわけですが、もしそういう沈黙が生まれてしまったら非常に気まずいです。
 沈黙を生まないための手法として、会話の種を増やしておくことです。基本としてはやはり相手の情報です。前職で何をやっていたか、どんなことを得意としているのか、趣味は何か。「こういう話はランチの場で聞けばいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかしランチの場で「趣味はなんですか?」とか「前職はどんなことしてたんですか?」とストレートに聞くと、場の雰囲気にもよりますが、なんだか面談っぽくになってしまいます。「前職は✕✕ってところで働いてたんですよね? あの会社有名ですけど、働きやすかったですか?」と、事前情報を知っている上で質問すれば、返答もスムーズですし、「あ、この人は自分のことを知ってくれているんだ」と相手に安心感を与えられます。「でもそんな基本情報ってどこから知ればいいの?」と思うかもしれません。きっと新入社員の方は、チームミーティングの冒頭で軽く自己紹介しているでしょうし、チャットに始めの挨拶を残しているかもしれません。あなたが過去に面接したのであれば、面接時のメモを覗いていみるといいかもしれません。意外としっかり調べればそれなりに情報を得られるはずです。
 当たり前かもしれませんが、新入社員の名前はきちんと覚えておきましょう。「そんなの当然だろ」と思われるかもしれませんが、意外とランチの場になって「あれ、この人の名字、大田だっけ、それとも大島だっけ」と迷うことがあります。また、新入社員が複数いて、ウェルカムランチに一同が介するようだと、いよいよ名前がこんがらがってしまいます。名前が思い出せないと、適切に話を振ったりすることができないので、これまた微妙な空気になってしまいます。

3. ダラダラ会話しない

 ウェルカムランチだからといって、いつまでもずっとお店に残って話をしてしまうと、やはり白けた空気が蔓延してしまいます。新入社員もオフィスに戻って色々やることあるだろうし、話すことにも疲れてしまいます。一時間を目処に切り上げるようにしましょう。
 なぜ切り上げるのが伸び伸びになってしまうかと言うと、「じゃあ出ましょうか」と発言する人がいないからでしょう。この発言は当然新入社員の口から出すわけにはいきませんので、既存社員の誰かが言う必要があるのですが、そういった音頭を取れる人がいないと「誰か切り上げてくれないかなぁ」とお見合いしてしまうことがあります。もし一時間を超えそうな場合は、あなたが勇気を出して「そろそろ戻りましょうか」と提案してみましょう。
 で、誤解を恐れずに申し上げると、盛り上がらないウェルカムランチはとことん盛り上がらないです。あなたがどれだけ会話を頑張っても、店選びを慎重にしても、うまいこと場が温まらないことはよくあります。それは新入社員の方の性格的にあまり会話をするのが好きじゃないからかもしれません。そういうときは、もう開き直っておいしいランチを食べることに集中しましょう。で、さっさと切り上げましょう。そういうときもあります。

4. ウェルカムランチを通して、既存社員どうしの距離も縮める

 ウェルカムランチは何も新入社員との距離を縮めることだけが目的ではありません。出迎える側の社員どうしの関係性強化にも繋がります。普段仕事で話していないようなことをランチの場で話すことがあります。長らく一緒に働いていたのに、同僚の知らない一面を知ることがあるかもしれません。せっかくの機会なので、この場を借りて関係性を深めてみましょう。既存社員どうしの仲が良いと、新入社員の方もきっと安心するはずですから。
 また、どうしてもウェルカムランチの会話が盛り上がらなかった場合は、もういっそのこと「内輪の会話」に走るのもアリです。沈黙が生まれて気まずくなるくらいだったら、既存社員しかわからないような会話をして場をしのぐことも可能です。で、大事なのは、内輪の話をしつつ、適切に注釈を入れて新入社員にもわかるように伝えることです。「そういえば最近導入したあのツール、使い心地どうでした?」と同僚に聞いて、「あー、良かったですよ。ドキュメントも充実してるし。まだ私しか使ってないんですけど」と相手が答えたら、新入社員にも「実は最近、◯◯さんが試しに入れているツールがあって、それが開発効率を上げられそうっていう話なんですけど……」みたいに伝えてあげると、新入社員も「のけもの扱い」にされたと感じずに会話を進めることができます。ぜひお試しください。


楽しいウェルカムランチを過ごそう

 色々とウェルカムランチの攻略法みたいなものを書いてきましたが、まああんまり深く考えずに、新入社員との食事を楽しむというのもいいかと思います。そもそもお昼休みの時間だから、仕事をすべき時間というわけでもないし。ただ、ウェルカムランチがそれなりに成功すると、新入社員の方も安心するだろうし、それをきっかけに会社にうまく馴染めれば万々歳なので、少しだけ気にかけてみるのがいいかもしれません。

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