映画「The Batman」を見ました ※ネタバレあり

ネタバレあります!注意!

Netflixで「The Batman」を見ました!めちゃくちゃおもしろかったです!

この映画は三時間もあって、普通の映画より長いんですけど、特に退屈せずに楽しめた気がします

バットマンと言えば、やっぱりクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』を引き合いに出してしまいがちですが、個人的には『ダークナイト』に引けを取らないおもしろさだったと思います。

本作の特徴

 まず、本作では主人公ブルース・ウェインに漂う悲壮感が特徴ですよね。笑わないし、常に暗そうな表情をしている。物語全体もなんとなく陰鬱な雰囲気が続いているし、派手な戦闘シーンがあるものの、爽快感は特にありません。『ダークナイト』では、ブルース・ウェインの昼と夜の顔が対照的に描かれていましたが、本作はそういった対称性はないため、主人公の「絶対に悪を根絶やしにするんだ」という一貫性を感じます。

 続いて、バットマンの戦闘シーンですが、なんと結構撃たれます笑 ショットガンやらなんやらでけっこう銃撃されるんですが、スーツのおかげで無傷です。さすがに散弾銃が直撃して無傷なのはびっくりしました。そしてバットマンの格闘術も、どちらかというと力任せにぶん殴るイメージが強く、私が持っていた「体術で軽やかに敵を制圧する」バットマンのイメージが覆されました。

 で、なんといってもやっぱり悪役の存在です。本作のボスは「リドラー」という、なぞかけを使った殺人鬼なのですが、映画バットマンのファンからしたら「なんだよ、リドラーかよ」とがっかりしたのではないでしょうか? 私は正直バットマンのにわかファンで、バットマンといえばゲームを3作分プレイしたのと、後はクリストファー・ノーランの三部作くらいです。だから正直、ボスがリドラーというのにあまり期待はしていなかったのですが、見事に期待を裏切られた感じでした!
 おそらく監督も『ダークナイト』はかなり意識したはずで、『ダークナイト』のジョーカーに勝てるような悪役は今後登場しないはずです。ジョーカーが持っていた悪のカリスマ性はかなり特徴的でしたし、演じたヒース・レジャーの怪演に勝てる役者はなかなかいないでしょうから。
 なので、リドラーという(比較的)地味な悪役は、まっこうからジョーカーに挑むのではなく、「どこにでもいそうな地味な男が、連続殺人を犯すというサイコパス性」にスポットを当てたものであるような気がしました。
 リドラーは単なる公認会計士(でしたっけ?)で、たぶん大して財力も持っていないだろうし、ジョーカーと違って犯罪集団を率いるような胆力もないのですが、持ち前の頭脳だけで警察とバットマンを欺き、連続殺人を成し遂げたのでした。そこの異常性や実行力は大したものだし、ジョーカーとは違うアプローチでバットマンを苦しめたのも印象的でした。そしてバットマンはこのなぞなぞ対決にほぼ負けているんです。恐ろしい敵でした。
 そして個人的に何より印象的だったのが、留置場に入れられたリドラーとバットマンが会話するシーンです。あの緊張感ったらないですよね。何度も比較して申し訳ないんですが、『ダークナイト』のときの尋問シーンとはまた違った空気感がありました。『ダークナイト』ではバットマンがジョーカーをボコスカ殴って問い詰めるシーンがあって、これまたかなり有名なんですが、本作ではガラス越しにバットマンとリドラーが会話をし、リドラーの異常性と恐ろしさが垣間見えます。バットマンが相手にしていた敵はこんなにやばいやつだったんだ、というのがわかります。リドラーは知能犯であり、サイコパスなんです。
 いつかこのリドラーを深掘りしてみたいですね。なぜ彼は犯罪を犯したのか? なぜバットマンを仲間とみなしていたのか? 結局リドラーはバットマンの正体がわかっていたのか? など

個人的に残念なところ

 やっぱり「うーん」となるようなところはあるわけで、例えばバットマンがめちゃくちゃ銃撃されるシーンがあって、「スーツの耐久性に頼ってしまっている」感がありましたね。闇に紛れて相手の隙を突いて制圧する、というイメージがバットマンにあったので、力任せに相手を倒すというのがどうもなーと思いました。
 次にキャットウーマンの存在です。ぶっちゃけいてもいなくても……という感じがありました。物語のアクセントになってて良いな、と思いつつ、けっこうこのキャットウーマンにスポットを当てるシーンが多かったので、そこまで注目するようなキャラかな?という疑問がありました。マフィアのボスが父親ということでどうしても物語に絡まざるを得ないというのもあるんですが、そんなに深いキャラでもなかったような気がします。一方で、バットマンにキスをしたり、相手からも好意を持たれていた節があったりするので、バットマンの人間らしさを演出する上では大事な要素だったのかもしれません。
 で、上2つは「強いてあげれば」といったものなんですが、どうしても譲れないシーンがあって、それはラスト十五分ですね! リドラーの最終計画がわかって、街が水浸しになり、人々が一箇所に逃げ込むシーンです。あそこなんですが、もうちょっと短くできなかったのかなー?と思ってます。リドラーに共感した悪党たちが、新たな市長を銃撃するんですけど、あのあたりの戦闘シーンがちょっと間延びした感じがありました。物語的に最も盛り上がるシーンのはずで、制作側も盛り上げを意識した結果っぽかったのですが、やはりうーん……という感じでした。みなさんはどうでしたか?

まとめ

  • 微妙なポイントはいくつかあったけど、めっちゃ面白かった!

  • 特にリドラーが思っていたより良かった

  • ペンギンという中ボス的なやつが出てきたけど、結局ほぼ無実なのにバットマンにボコられていて面白かった

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