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エクストリームPBP2023備忘録

概要

むらちです。2023/8/19~8/24にてエクストリームPBPしてきました。
簡単に説明するとPBP出場のため8/19~27まで休む予定でしたが8月に入った途端に会社都合で8/19~8/24しか休めなくなったので、69.5時間でPBPを完走してそのまま帰ってきました。
4年後誰かが社畜の闇にのまれた時に参考になるかもしれないので備忘録を残します。結論から言うと6連休あればPBPできます。
エクストリームに関係のない一般的な項目は気が向いたら別途記事を起こします。

パリ-ブレスト-パリ ランドヌール (Paris–Brest–Paris Randonneur: PBP) は4年に1回ACPの主催により開催されるもっとも伝統あるブルベです。パリ郊外をスタートしブルターニュ半島の先端の街ブレストまで、片道600km往復1200kmのコースを参加者自らの力で完走を目指すBRMの最高峰です。

https://www.audax-japan.org/international/pbp/



前提条件

①8/18は社内研修のため休めない。
②8/25は出社である。
③現地時間8/19の19時までに前日受付をする必要がある。
④I組 8/20 18時発

実行計画/実績

条件を満たすために普段はそこまで真剣に作らない実行計画を作った。
私はPBP初参加で海外旅行の経験がない。実走行は自力で何とかするしかないが、空港での所要時間や現地での移動時間等の見当がつかない。
キャノンボール研究家で今回のPBP対策に関して膨大な情報をまとめ発信している「ばるさん」監修のもと計画を立てた。


飛行機関係

計画

走行時間を確保するために必然的に直行便を選ぶ必要がある。エールフランス、JAL、ANAの3択。
・往路は到着後に会場まで移動して受付があるため8/19午前現地着
・帰りは8/24の終電に間に合う必要がある。
・往路復路ともになるべく遅い時間の便が理想である。
というわけで下記飛行機を手配した。所要時間片道14~15時間ほどである。
※私は名古屋在住である。NGOはCDGへの直行便はなく、HND乗り換えになることが多い。電車でKIXへ行くのもHND行くのもそこまで差がない。
※当初予約していた飛行機のキャンセル費38700円+差額74500円+輪行代28840円かかった。

実績

・往路は羽田にフライト2時間前に着いたがかなり時間的余裕があった。
・往路の同行便には3人しかいないらしく一瞬で自転車の預け入れが終わった。
・復路の輪行者はたぶん私1人のため一瞬で自転車の預け入れが終わる。
・CDGの自転車預け入れ時の検査はガバガバだった。
・空港到着後に自転車が出てくるまで1時間以上かかった(往復どちらも)
・直行便片道15時間でも割と苦行

現地での移動

計画

具体的な現地入&離脱の時間が決まった。
・最低でも空港に1時間半前には着いている必要がある
・ランブイエでタクシーを手配できたとして空港まで1.5h~2h
・ゴール受付は混まないとの予想
上記条件をリミットとして少し余裕のある計画を立てた。17時ゴール計画である。

現地での移動はG7というアプリにてバンタイプのタクシーを手配していた。
・CDG→ランブイエの宿・・・のちにキャンセル
・会場荷物預り所前(後述)→CDG

実績
実績としてはかなり余裕を持って行動できた。
・意外とTL上では電車移動してる方が多く経費削減のため電車移動した。
・CDG→ランブイエ電車移動で17€くらい。よくわからず4時間弱かかってる
・ランブイエ→CDG タクシーで242€。1時間30分
・座標指定した場所に時間通り来てくれた。
・バンタイプは一人で乗るには大きすぎたかも。

輪行関係

早い段階でOS500をメルカリにて12000円で購入していた。
梱包方法についてはほかにいくらでも先人たちの知恵があるので割愛。
社内研修後に名古屋駅まで輪行するのは気が引けるので早朝に名古屋駅に運搬し預けることにした。(ecbo cloak)
一般的には現地ホテルに輪行袋を預けたりするそうだが、1泊しかせずゴール後は最短時間で直帰する必要があるので却下。輪行袋は会場に荷物預り所があるということなのでそこに預けることにした。なので帰りのタクシーは預かり所前に座標指定した。
実績
背負って走るとガン見される。預り所で大きすぎるから自分で中に運べってなる(ほかの人はせいぜいナップザック1つ)


宿泊

休みが白紙になった時点ですべてキャンセルした。当初は会場から20kmほど離れたMaurepasにて宿をとっていた。
Tonyさんが部屋を余らせているとのこともありイビス ランブイエ(https://www.booking.com/hotel/fr/ibis-rambouillet-rambouillet.ja.html?aid=898224&label=hotel_details-TdOply%401691482471&sid=16f1b724f8092cebad8e35ba7c96f324)を譲っていただく。近場で12時チェックアウトなので1泊でよいと考えた。追加料金を払いレイトチェックアウトを行い16時まで滞在できた。

一人さみしくツインベッド
朝食

走行

計画

このような状況になるとは考えずにエントリーしていたためスタート時間がI組18:00であることは変えられない。23日17時、つまり71時間でゴールする必要がある。
各PCで20~30分かかること、過去の類似走行データより以下のように走行計画を立てた。(Excel提供:ばるさんhttps://cannonball24.com/pbp-2023-how-to-make-a-driving-plan/

赤線が私にとってのクローズ

簡単に設計根拠を説明する。
・走行速度
➡過去の1000km、600kmブルベやR9キャノボ、R4キャノボあたりから走行速度の見当をつけた。トレインもあるのでこれくらいの速度で見積もれば余裕ができるはず。
・往路はBRESTまで通して4h仮眠する
➡1徹したら時差ボケは関係ない。600km/30hは経験上可能である。今までの経験から2夜目は絶対越えられない。
・復路はVILLAINES-LA-JUHELで4h仮眠する
➡リミットから逆算して日の出発で間に合うので復路を通す必要がない。
3夜目を越えられる自信がない。
・PCは30分、WPは20分見積もる
➡前述の通り。不確定要素なのでばるさんに言われた通りの時間入れておく。WPは2回シークレットになるはずなので時間を見積もっておく。
もし後半遅れてもPC滞在時間や睡眠時間短縮で時間調整できる。

撤退ライン
考えたくはないが力及ばずにDNFする可能性もある。
最終日だけは電車およびタクシーを用いた場合の大まかな撤退ラインを定めておいた。ランブイエに帰還し輪行袋を回収し空港へという想定。

実績
結果として計画より1.5h早くゴールし余裕をもって帰国できた。

https://www.strava.com/activities/9712884923


勝因をいくつか挙げる。
・ボリュームゾーンよりかなり先行しているためPCでのチェック待ちがほぼないため、そのまま食事や買い物、トイレ、休憩時間に時間を使えた。CARHAIX-PLOUGUERは往路と復路が合わさり混雑していたように感じた。
・トレインで思ったより早くブレストに着いた。
・おかげでBRESTの仮眠所が個室でしっかり寝れた。
・復路では1時間貯金になるよう温存して休憩できた。
・VILLAINES-LA-JUHEL着で唯一計画を下回ったが、仮眠を減らし巻き返した。仮眠所でしっかり寝れた。
・パンクしなかった。


時間があれば別途走行時の詳細をまとめます。


筆者スペック(参考)

当然ながら走力には個人差がある。もし上記計画を参考に4年後誰かがエクストリームPBPを実行するとなったとして、どれくらいの走力が必要か気になるところであろう。参考に私の履歴を振り返る。

ブルベ歴(抜粋)
初ブルベ 2018.10.18 神戸600
SR取得 2019年、2022年、2023年
2022年 BRM811摩周湖1000km→(中3日)→SR600支笏洞爺
一番きつかったブルベ 2022年 BRM702 中部600 (獲得標高約10000m)

ファストラン履歴
2023.04.29 R6キャノボ(TS) 353km 13h29
2023.03.19 R4キャノボ(AT) 737km 35h58
2022.10.18 R9キャノボ(KY) 634km 28h48
2021.12.05 R2キャノボ(OM) 526km 23h55
2021.11.14 R3キャノボ(KM) 387km 15h55
2020.12.12 R1キャノボ(OT)525km 23h53
2019.09.15 R1キャノボ(TO)525km 23h27

その他ロングライド
2018年5月 函館→沼津自走
2018年8月 沼津→福岡自走
2020年8月 最北端→函館→沼津自走

身長体重他
26歳児
身長 177cm
体重 65kg
FTP&PWR 不明。PWR3.5~4.0倍程度(測る気はない)

推奨スペックまとめ
・東京大阪間を24時間で走れる程度の能力
・一般的なブルベをグロス20以上で通せる程度の能力。600ブルベ6000mUP相当が30時間以下だと望ましい。
・連日300kmは走れる程度の能力

そもそもしっかりと計画通りに休みをとれる環境構築をお勧めします。
(転職先募集中です)

PBP関連情報(追加予定)

走行詳細分析(もし次回PBPでタイム短縮を狙うなら)
ツイートで振り返るPBP
装備、機材編
PBPに向けた練習するには
費用精算および当初のPBPプランとの比較

謝辞

函沼自走でおつぐさんにブルベの世界を教わり憧れを抱き5年。 社畜都合で70時間という縛り付きでしたが、可能な限り楽しみました。
急遽休暇予定が白紙になり失意のどん底の時には各方面にご心配をおかけしました。自分が思っているより多くの方に声をかけていただき、挑戦するからには本気で頑張ろうと思いました。 応援本当にありがとうございました。
そして情報提供を始め、PBPを通してに関わった皆様に感謝申し上げます。


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