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恋話「遊び人だった男性と、今では幸せな同棲生活を送るエミ」

エミ(仮)には、ずっと忘れられずにいる元カレがいました。
「もう元に戻ることはできない」と分かっていても彼のことを考えてしまうらしく、
飲んだときにはいつも、元カレとの思い出話を懐かしそうに話していました。


思いがけない告白

それは、二人で行きつけの居酒屋で飲んでいたときでした。
「告白されたんだ」と、突然打ち明けるエミ。

男の気配なんて少しも感じていなかったので、ビックリして、
「え?誰から?」と聞くと、
相手は私が知らない人で、グループで遊ぶメンバーの中の一人ということでした。

”どちらかといえばアリ”という程度だったらしいのですが、
告白されてから二人でも話すようになって、「この人、見た目と違ってしっかりしている人なのかも」と、
だんだんと惹かれるようにもなってきているというのです。

居酒屋では、答えが出せずに迷っていたエミですが、
それから数日後。
「付き合うことにした」と、連絡がきました。

忘れられない元カレとの間で揺れていたようなのですが、
「今のままじゃ前に進めない」と、彼と付き合うことに決めたらしいのです。


彼の過去の、衝撃の事実

彼は本当に優しい性格らしくて、エミの気持ちが高まっていっているのを感じていました。
「新しい恋が始まってよかった」と、私も祝福の気持ち。

でも、ある日、
エミは、彼の衝撃的事実を知ってしまいました。

それは、エミと彼の共通の友人とランチをしていたとき。
「彼のことはやめた方がいい」と強い口調で言ってきたらしく、その理由を聞いてみると、
「エミと付き合う前に、身体の関係を持っていた人が複数人いた」「過去に浮気をしたことがある」と、
衝撃の事実を告げられたそうなのです。


もちろんエミはショックを受けて、
私に相談してくれたときは、思い詰めた様子をしていました。

彼の口から聞くならまだしも、第三者から衝撃的な事実を聞いてしまったことも、余計にショックだったみたいです。

彼に直接問い詰めてみると、
彼は素直に認めて反省し、「もうそんなことはしない」「エミのことを本当に愛している」と言ってはくれたそうです。

でも、そのことを信じていいのか分からず、
そして、もしも彼が浮気したら自分がどのようになってしまうのかが分からなくて、
今の段階で別れるべきなのかどうかを迷っているみたいでした。


別れた方がいいのか?

「傷つく前に別れた方がいいかなぁ?」と聞くエミに、
私の中でもすぐに答えが出なくて、しばらく何も言えませんでした。

彼と会ったことがないし、彼がどんな人なのか知らないし、共通の友人についても知らないし・・・
失恋から癒えたばかりのエミなのに、また深く傷ついて欲しくない・・・。


でも、一つだけ確かだと思ったことがありました。
それは、
エミは、彼のことが本当に好きなんだ”ということ。


彼と付き合おうかどうか迷っていたときのエミは、”彼のことが好きかどうか分からない。元カレのこともまだ好き”といった様子だったのに、
今は、”彼のことが好き。でも、別れた方がいいと言われるし、私も傷つきたくない”といった様子で、
元カレのことはちゃんと振り切れて、新しい恋がちゃんと始まっていることを感じていました。

”傷つく恋”より、”後悔する恋”の方が辛い

「彼と別れなくていいと思う。
浮気するかなんて、まだ分かんないんだし!
もし彼が浮気してエミが傷ついたら、私が慰めるから安心して!」

と、これが正解かは分かりませんでしたが、私なりの考えをエミには伝えました。


もちろんエミに傷ついて欲しくはなかったけど、
大好きな彼と”もしかしたら”の可能性で別れることは、決してして欲しくはなかったから。

人を好きになれることって奇跡に近いし、
彼がエミのことを好きなことだって、本当なんだと思います。

”傷つく恋”より、”後悔する恋”の方が辛いんじゃないかと思いました。


『相手を信じる強さ』

早くもあれから5年が経つエミと彼ですが、
浮気されることはなく、今ではもう熟年夫婦のような安定した仲の良さ。

当初は、「彼、もしかしたら浮気するんじゃないかな」と、正直疑っていた私ですが(笑)
決めつけるのは良くないなと、エミのケースをみて学びました。

そして、今考えると、
彼の女グセが判明したときに問題を放置せず、ちゃんと問題に向き合って、二人で真剣に話をしたからこそ、
エミは彼を許して信じてあげることができし、彼は反省して変わることができて、
ここまで愛を育むことができた
のではないかと思います。


恋人になるには何かしらの問題が付きものかと思いますが、
問題が大きくなる前に対処することって、大切みたいですね。

そうじゃないと、きっと相手を信じることはできない。


『相手を信じよう』と強い覚悟を持って彼と向き合ったエミに拍手です。

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