物の価値に自分が追いつく瞬間

かしこまった会食を控え、少しかっちり目のスラックスを探しに出かける。
今までもシルエット、丈、素材、それなりに拘って探してきた方だと思う。
ただ、今日突然視界がひらけたような、心が踊るような経験をした。

「いつもの」良い感じ、の価格帯のスラックスを試着したところ、
在庫されていた色とサイズがうまくマッチせず、
同じようなものを店員さんにリクエストして
「少し値がはるのですが・・」と倍するものを提案される。

腰回りの細かな作り込み、ちょうど良い太さ、カーブ・・
履いた瞬間に「うわぁ、楽しい」という気持ちがあふれ出した。
これまでも、そこそこいいものを身につけようと同等のものも身につけていたけれど、本当に初めてに近い感覚を味わった。

ここで思ったのは、きっとそれぞれの物の価値は変わってないけど、
自分がその価値を感じられるようになった、のだと思う。

これは仕事上でも明確にある。
突然、聞こえなかった楽器の音が聞こえるようになる、
急にコードが取れるようになる。
とあるスタジオに伺い、今まで見えなかった音がくっきりと見える。

「英語が突然聞こえるようになるということと同じ感覚なのかもしれない。
久々に感動をした経験。
それとともに、お財布の紐を固く締め直そう、と誓った夜でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?