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質問力とコミュニケーション

8月のある日、システム障害が発生しました。私は朝から原因の調査をしていましたが、前例のないトラブルで調査に行き詰っていました。昼も過ぎたころ、一次問い合わせ窓口の担当からひと言「どう?」と聞かれました。
(正確にはもう一言くらいあったかと思いますが記憶にはありません。)

調査でバタバタしていた私は調査状況が知りたいのだと思い、
「(まだ原因はという意味で)わからない。」とだけ答えて作業に戻ったのですが、この何気ないやり取りがあとから社内で問題となると思いもよりませんでした。

障害もひと段落した数日後に上司に呼ばれました。
てっきり仕事の話だと思って会議室に入ると上司の言葉に耳を疑いました。
上のやりとりについてクレームが入っているとうのです。

トラブルについて質問したのに「わからない」の一言だけでは詳細がわからないし、関係者への説明ができないということでした。
そして上司からはコミュニケーションをしっかり取るなさいというような指導がありました。私は頭の整理がつかずその場では大したことは言えずに話は終わってしまいした。

しかし、何か納得がいかないモヤモヤしたもの頭から消えないので家に帰って改めて頭の中を整理してみました。すると、やはり何かおかしい。これはこのまま放置すべきではないと思い始めました。遅まきながら納得いかない自分の気持ちに気づいたのでした。

質問者の言葉と上司の言葉ふりかえると以下が想像できました。
「どう?」には以下の意味が含まれていたらしい。
 ・トラブルの状況の詳細を教えて欲しい。
 ・トラブルを関係者へ説明できる内容を教えて欲しい。

どうなんでしょう?

回答者としてはどこまで質問の意図を推し量るべきなのでしょうか。
ただでさえバタバタした状況で上司でもない相手に「どう?」の一言だけ言われた場合に詳細を説明しようと思わなければいけないのでしょうか?

私はそうは思いません。
質問内容の粒度は、そのまま回答内容の粒度になるものだと思うからです。粗い質問をすれば粗い回答が返ってくると思うからです。(立場の違いによりそうでないケースもあると思います)
そのうえで返ってきた回答が求めていた内容を満たさない場合、質問内容を変更するか、再質問をする。適切な回答が得られない場合には自分の質問がまずかった(相手に合わなかった)と考えるべきではないでしょうか。
私はこれがビジネスルールだと思って仕事をしています。
今回の質問者には質問内容が回答内容に及ぼす影響を考えておらず、回答者に多くを委ねているにも関わらず、自分の意図した内容と違う答えに納得できないという状況が発生したと考えました。

今回私が納得できない点は以下2つにまとめることができると思います。
①十分でない質問にも関わらず、満足できない回答に対してクレームを入れられたこと。
②クレームに対する上司の受け取り方。

①に対する私の見解
そもそもの質問力の無さをクレームという形で責任転嫁していることに怒りを覚えました。上記の担当以外にも他の部署から状況を確認にきた方がいました。その方は、こちらが忙しいことを考慮しつつ知りたい内容を的確に質問し納得して帰っていきました。この方とのやり取りがしかるべきコミュニケーションだと思います。

②に対する私の見解
「質問力の無さ→クレーム」の構造を私が悪いかのように上司が受け取っていることに悲しくなりました。相手から何を聞いたのかわかりませんが、せめてこちらの言い分を聞いてから判断してほしかったです。あなたは私の上司であって彼の上司ではないのですから。初めからコミュニケーションミスだと決められてしまったので、その場では私は何も言えなくなってしまいました。


そして、このままコミニケションミスで終わられてしまい悪しき前例ができることを恐れた私は上司にメールすることにしました。
一旦noteに掲載して、お盆明けまで冷静に考え、それでも納得いかなかったらメールしようと思います。

もしこの記事を読まれた方がいたら、ご意見をいただけるとありがたいです。どのような意見でも私の判断の助けになると思います。

追記:上司との話の中で、将来的に部長に推すすもりだ、だから他部署と上手くやれと言われました。すごくサラリーマン的な考えですね。この考え自体で上司を批判するつもりはなくおそらく良かれと思っての言葉だと思います。上司はそうやって育ってきたのでしょうから。しかし今の時代を生き抜く企業であるためには賛同しかねる部分ではありました。


------メール本文-----

〇〇様

どうしても納得がいなかないのでメールします。

先日のクレームの件です。

あの時、〇〇さんからの質問は「どう?」+一言くらいだったと思います。
その程度の粒度の質問だったので、私は単純に今の調査状況が知りたいだけだと思い「(まだ原因は)わからない。」と回答しました。
昨日の話では関係者への説明用に情報が欲しかったと聞いたかと思うのですが、「どう?」の言葉だけでそこまで察するのは中々に難しいと思います。

私の考えでは、回答は質問と同じ粒度で返ってくるものであり、返ってきた回答が求めていた内容ではない場合は質問者が質問内容を変更するか、再質問をするべきだと思います。

あの日、他にも質問されてきた方がいましたが、その方は現状、原因、見通し、明日はどうなるなど知りたい内容を的確に質問し、私も時間はありませんでしたが事象のキモを回答し、ご理解いただけたように思えました。
本来コミュニケーションとはこういうモノだと思います。

正直今回の件は、私からすると街中で不良に絡まれたような気分です。
自分の質問力不足で求めていた回答が得られないのでクレームする。これはちょっと違うと思います。
私からすると質問する側の問題でありそれを回答者の問題と認識していることが問題だとも思っています。

今回の件を私が納得して終わらせてしまうと、この組織では今後も質問に対して大きな深読みをもって回答することがスタンダードになり、それは社内コミュニケーションとしては間違っていると思いメールさせていただきました。
クレームを入れる前に自分の質問に問題がなかったかを考えていただきたかったです。
「どう?」で望む回答が返ってくると本気で思う方なのであれば諦めます。しかし次回からは考えていただきたいです。

------メール本文-----

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