読書メモ(ネットビジネス進化論1/3)

◇感想

・ネットビジネスにおける重要な成功要因及びこれからの時代に来るであろう波について書かれた良書だった。個人的に決済を握れることに夜メリットが想像以上であり、各社しのぎを削り合う理由が少し理解できた気がする

◇作者と概要

・作者は尾原和啓。マッキンゼー、リクルートなどの企業を経て現在IT評論家として執筆を行なっている。ここ数年で急速に拡大したネットビジネスの成功要因を分析している本であり、そのビジネスモデルやうまくいった要因などが記されている

◇よかったインプットメモ

・入り口を抑えたものがネットビジネスの勝者となる。元々ひたすら人力で有力サイトを集めていたyahooに対して、スパイダーというロボット検索エンジンを駆使したgoogleによりサイトの量だけでなく、アルゴリズムによるユーザーにとって最も良い内容が書かれているかという質の部分でも勝利を収めた。googleが莫大な広告収入を集めている1番の理由は広告をただ見せるのではなく、消費者のインサイトに連動させたことにある

・一方のyahooは検索エンジンとしてではなくスーパーアプリとして日本では生き残っている。目的を持って検索するユーザーではなく、「何が流行っているか知りたい、旬なネタが見たい」といった探索型を囲うメディアになった。それは「yahooニュース」や「yahoo不動産」など様々なジャンルにアクセスできるメディアであったからである。ポータルは縦軸にコンテンツ、コマース、コミュニティ、横軸に目的型、非目的型を置く6マスに分けることができる

・ネットビジネスにおいて、IDと決済を握ったものが覇者となる。これはIDを握ることにより個別化された提案が可能になること、そして小さなサイトでIDを発行する手間からのユーザー離脱を防ぐためにfacebookなどの大きなサイトのIDを結局使うことになりオープンIDは強者がより強者になる仕組みであることが挙げられる。

・お金のやり取りがリンクになることにより「フリクションレス」が生まれた。広告のターゲティングやデータなどは枝葉にすぎず、最も大きな価値は「やりたいことがすぐにできる」というスピードである。キャッシュレス化によって待ち時間などユーザーの消費行動も大きく変わった。

・次の主戦場は信用経済とスモールビジネス市場である。キャッシュレス化により信頼を可視化できるようになると信頼を軸にお金の融通の仕方が変わり、また提供する人が損をしない仕組みができやすくスモールビジネスがたくさん生まれる。中国ではタオパオ信用経済がすでに成り立っておりローンや合コンなど至る所で信頼スコアが使われている。信用経済になるとファクタリングにかかっていた費用を浮かせることができユーザーに還元できるというメリットもある

・キャッシュレス化がもたらすイネーブラーの先に送客ビジネスがある。例えばリクルートのAirレジは今まで崩せなかったぐるなびや食べログの市場に無料のPOSレジを導入してもらうことにより顧客の詳細な売上情報がわかりリピート施策や集客設計などに入り込むことができる

◇その他よかったインプット

・アリババは元々eコマースで始まった会社であるのに対してテンセントは元々ゲームの会社である



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