見出し画像

BioClub植物組織培養入門WS#2レポート

植物組織培養入門ワークショップというのを見つけたので行ってみました。今回は2回めで、前回はワークショップ、今回は座学中心の内容とのこと。植物組織培養とはなんなの?どうやるの?ゆるゆる勉強してきました。

BioClubとは?

今回のイベントはBioclubさんが開いたものです。BioclubはHPによれば下記のような団体とのこと。

生活者がバイオテクノロジーを体感すること、それによって得られたリアルな感覚を多様な視点から議論すること。そして思いついたことを実行すること。BioClubはこの3つを軸に、研究者、クリエイター、企業、ホビイストなど、異なる分野に存在するサイエンスへの興味を持つ人々が集う場を提供し、様々な領域のプロフェッショナルと共働し、新たな視点を生み出すプラットフォームです。

毎週火曜日にミーティングを開いており、誰でも参加可能。また、様々なイベントやワークショップを開かれています。今回は火曜のミーティングの延長線上でのワークショップとのこと。この日は前日にNHKのクローズアップ現代でDIYバイオが取り上げられていました。それを見て興味を持ったという子どもたちも来ており、話も易しめで進み、なごやかな雰囲気でした。

植物組織培養とは?

植物の細胞を取り出し、その細胞を培地を使って育てて細胞を増やすことをいいます。植物は人間などの動物とは違い、「分化全能性」というものがあり、一部の細胞を取り出すとそこから他の組織を作り出すことができるそう。つまり、根からとった細胞を増やすと根しかできないのではなく、そこから葉や茎も作り出せるとのこと。実験はわりと簡単で、昔は高校の授業でもやっていたそうです。

植物組織培養によって植物育てると、「個体差がない同じ植物=商品を作って出荷できる」「季節や環境に左右されない」ということで、蘭などの観葉植物や薬の原料の植物などに普通に使われているそう。実は1960年台からすでに実用されているということで、結構枯れた技術なんですね。

植物培養のやりかた

比較的簡単な人参での例で説明をうけました。培養には大きく2パートあり、一つが①カルスと言われる「なんにでもなる細胞の集まり」を作る段階、そして②カルスを根や茎などの役割を持った組織にする(分化させる)段階です。ざっくり以下のような操作を行うとのこと。菌が混入しないように清潔な環境と器具で行います。

・培地を作る。市販の寒天、砂糖、ハイポネックス(市販の液体肥料)を利用。
・形成層(人参の根の輪っかになっているところ)を切り取って培地または培養液に入れる
・温度を一定に保って一ヶ月位経つとカルスができる
・植物ホルモンを入れた培地に移す
・組織ができてきたらバーミキュライトへ植える

ホルモンは個人で手に入れるとちょっと高いようですが通販で買えるし、他の材料は普通にスーパーやホームセンターで気軽に買えるものでできてしまいます。

ラボスペースで実物見学

Bioclubの活動場所であるFabCafe MTRLにはラボスペースがあり、前回のワークショップでは実際にそこで実験をしたそう。ラボと培養中の細胞の見学をさせてもらいました。

培養中のシャーレの中の人参からは新しくつぶつぶの細胞が出ている状態が見えました。となりのネギは最近が入ってしまい失敗したもの。初めてやる人が多いワークショップではうまくいくのは半分くらいとのこと。

その後は小学生の子たちや私からの質問タイム。丁寧に答えていただき、ワークショップは終了しました。

farmtoryでも植物組織培養やりたい

植物組織培養はfarmtory-labでもやりたいことの一つ。ワークショップやラボを貸してもらって実験をしてみて、ゆくゆくは自分たちのキッチンなどでも実験できるようにしたいです。

farmtory-labでは植物の栽培をしていますが、実はほとんどの栽培品種は種をとって次の世代を作ることができません。続けて同じ植物を栽培し続けるため、特に珍しい植物を栽培するためには、植物組織培養を使うといいのではないかと思っています。ついでに植物自体の個体差をなくすことで変数が減り、より効率的な育て方を探すのもやりやすくなるのではという思惑もあります。

また、屋上という環境にあった植物に品種改良していったり、培養した植物をそのまま食べてみる、というのもおもしろそう。実験は遊びとしてもいろいろやっていきたいです。もしかしてそこからなにか生まれたらラッキーですしね。

最後まで読んでくださってありがとうございます。今後活動内容はこのマガジンで更新していく予定なので、興味がありそうであればマガジンをフォローしてくださいませ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?