村嵜千草

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    わたし 村嵜千草の描いた絵をときどきまとめます ときどき…なぜなら練習中だから…

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大すきな なっちゃん へ

ぷっくりまあるいほっぺたに わらうと くしゃって 目がなくなっちゃう、 かわいいかわいい なっちゃん。 あまえんぼで、おともだちと ときどき けんかもして、 ほいくえんの先生に しかられることも おおかったなっちゃん。 ちょっぴり わがままで なき虫な 2さいのなっちゃん。 なっちゃん、いま どうしてるかな。 まい日 たのしいといいな。 本とうは ガマンをして 上手に あまえられないで、 おこられる たびに 大つぶのなみだを こぼしていたんだよね。 いつも 大すきな先

    • 水鏡

      今日もまた水たまりを踏む ゆがんだわたしと泥が跳ねて笑う どこまでゆけば 満ちるときがくるの ここでやめたら わたしは後悔するの? 雨音のままに 今日は濡れよう 濡れて疲れて そして眠ろう 明日もまた水たまりを踏む はじけて 滲みた 本音の一粒 どこまでもゆこう そのときを期待して ここまでこれた わたしを褒めよう 雨音のままに 今日は濡れよう 濡れて疲れて そして眠ろう 今日もまた水たまりを見る いびつなわたしがそれでもと笑う

      • 《 おしらせ 》

        こんにちは。村嵜千草です。 このたびInstagramの新しいアカウントを 開設いたしました。 それに伴って、このnoteに紐づけるアカウントも 変更いたしました。 新しいところ( @chigusa_uta )では、 画像に乗せて詩を投稿していきます。 ここに置いているものをととのえたり 新旧織り交ぜたりしながら更新していく予定です。 noteにはあげないような短いものも Instagramでお披露目していこうと思っております。 創作、表現活動にいっそう力を入れていく

        • 黄色い背表紙

          壁の一面を覆う本棚に 幼児向け絵本から大人の新書まで あの頃より少し伸びた背丈で 向かい合う 顔を寄せると時間の匂い ざらざらしていて懐かしくて 少し酸っぱい ちょうど目線の高さに 今でも惹かれる黄色い背表紙 当時は少しかかとを上げて 見上げていたのかも まだスカート丈と前髪が ステータスだったときに 出会ったハードカバー 読書を好むことが なんか洒落てるつもりで 背筋を伸ばしていたっけな 物語終盤の展開を 辿る目が焦って 読み疲れたっけな 15年経って読み返して

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        大すきな なっちゃん へ

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        記事

          ほくろ

          左の手の甲に でっかいほくろがある でっかいと言っても よく見ると ちいちゃいほくろの 集まりである 手持ち無沙汰になると 腕時計を確認するみたいに つい見てしまう 右足首の真ん中に 中くらいのほくろがある 普段は靴下で 隠れてるけど 家では裸足なので ときどき目に入る ストレッチなんかしていると 虫が止まってるみたいに見えて たまに叩いてしまう 手の甲のほくろは可愛いけど 足首のほくろはときどき恨めしい 左腕のほくろもいつも見ちゃうし 口元のほくろも気にしちゃ

          毛布

          さ、おいで 今日もたくさん頑張ったんだね そうか、そんなことがあったのかい 私は濡れたってかまわないさ ほうら、顔をうずめて いつでも待っているさ そしてずっとここにいる いいんだ、そんな汚れくらい 細かいことはお気になさるな ねえ、ねえ、そしたら、わたしばかりだよ あなたは、 あなたは? ………………………… お読みくださりありがとうございます。 いろんな悩みも迷いも毛布の中で。 だいすきなんです。布団の類いが…。 こちらもぜひ。

          しあわせなこと

          どんなささいな、 たとえば目が合うとか たとえばごはんが美味しいとか ちょっとしたことが いちいち嬉しいのです どんなささいな、 たとえばまつ毛におりたほこりとか 小指のささくれとか ちょっとしたことが いちいち楽しいのです ほんのすこし 指が触れたり ほんのすこし 髪が揺れたり ほんのすこしのことが いちいちしあわせなのです ………………………… お読みくださりありがとうございました。 ささやかなしあわせ。こちらもあわせてどうぞ。

          しあわせなこと

          秋のはじまり

          た、た、た 抜き足差し足忍び足 ゆうべあなたは遅くまで頑張っていたでしょう 起こさないようにそっと ざ、ざ、ざ 家中のごみ箱を集めて 記憶の端くれたちをまとめてしまいましょう カーテンは開けないでおいて まだ少し早いけど もう出しに行ってしまおう くたびれたサンダルを突っ掛けたら ジャッ!と音が立つ 毎日触るドアノブ ひんやりしてる 部屋と外を綯い交ぜにする風が頬を切る ワッ! こちらもひんやりしてる! 駆ける足が慌てる サンダルよ遅れないで 急いでごみ袋を置いてこ

          秋のはじまり

          生命を描く

          体の真ん中の内臓から ドクドク湧いた真っ赤な興奮が 粛々と列を成し その指 その末端 果ては握られたペン先まで いや その中のインクまで 頭の奥の1.5キログラムの総てから ドクドク湧いた真っ赤な感情が 我先にと走り出し 熱い手の平 力む指先 そこから白に一線染まるまで ミクロの粒のひとつまで フウ 一度の換気を経て広がるは 生命 そのもの 静かな轟音をたて 襲い来るもの

          生命を描く

          ダイエット記事を書き始めました。とここに宣言します。 といっても、ダイエットはこれからです。 上手くいけば、一年後のわたしが記事を書き終え公開してくれるはず。えいえいおー

          ダイエット記事を書き始めました。とここに宣言します。 といっても、ダイエットはこれからです。 上手くいけば、一年後のわたしが記事を書き終え公開してくれるはず。えいえいおー

          悪い癖

          白状する ときどき、それかもう少し頻繁に やめたくないと思うことを 俯いて タオル濡らして ぐるぐるお腹鳴らして 皺の一本ずつを確かめることを 白状する たまに、ごくたまに、と言っておくが 苦しんでいなくてはと思うことを 綱渡りして よろけて 立ち止まって そうして眼下の奈落に惹かれることを 白状する とかなんとか言っといて 悩みを悪いことなんて思っていないのを 首を捻って 焦点も合っておらず どこも見てなくて どうしようもないもじゃもじゃの味噌だけきっと不眠不休で

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          慣れた瞳に少し緊張しながら 足を組み替えて ぽつりと言葉を紡いでみる 内緒話をするときは いつもどこか不安で心が小さくなる お刺身が乾いてしまうのを横目に見ながら 落ち着かない手をもじもじさせて こっそり表情を伺ってみる ああ なんだ 同じだったと知った 塩で漬物になるんじゃないかってくらい 濡れてしわしわになるんじゃないかってくらい 溢(あふ)れるものをそのままにして そっと手を握り合って 友達を超えた気がした 心が半分こになった気がした …………………………

          未練

          あなたはいつも大股で 歩くのが速くて わたしはついて行くのに精一杯だった 合わせてほしいって 言えなかった 嫌われるのが怖かったから あなたはよく笑って 褒めてくれて わたしは照れ笑いを返すしか出来なかった 眩しくてたまらなくて 上手な返しなんて 考える余裕がなかったから あなたはずっと前を見てる どんどん遠くなる わたしはまだ 道端の萎れた雑草なんかが気になってる あなたの笑い声が遠くなる 大衆に飲まれてどんどん聞こえなくなる わたしはまだ あの日の笑顔と笑い

          指先

          気づいてほしい ううん 気づかなくていい どうしたの急に、なんて へんなの、なんて 思われたらいやだもの けれどやっぱり ちょっぴり気づいてもいいよ かわいいなって 思ってもいいよ あなたのための 気取った指先

          コップの汗

          早く車に戻ろうって 蒸し返すアスファルトを蹴って ひーとかふーとか言って この曲誰の?なんて スピーカーを指差す こんなときはもう最後かもしれないって ふと心配になって 脈絡もないお礼を繰り返して 笑って照れ合って コップの背中をなぞる さっきまで外明るかったのに! あっという間だねって 時計を横目にサラダを摘まんで さっきのざわつきなんて忘れて ケラケラはしゃぐ 気づいたら 冷えたジュースは温くなっていて コップの汗が水たまりを作ってる あした帰らなきゃいけないんだ

          コップの汗

          見えぬあなたへ

          どれだけ一生懸命に目を凝らしても 人の目に見えるものには限界がある と、思いたいのかもしれないし 本当にそうかもしれない 本当にそうだったら居るかもしれないから やっぱり思いたいだけかも あのときどんな気持ちだったの 何に触れていたの 最後に何を見たの 考えたの さようならも言わせてもらえない私は あなたをずるいと思えばいいのか 優しいと思えばいいのか 持てる五感のすべてから 無言の便りが返ってくる なんて、いつまでも縋ってしまうのは あなたにとって鬱陶しかったりし

          見えぬあなたへ