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勉強テーマの発想法

疫禍の影響がまだ残っていた頃、幼馴染とリモート飲みをした。当時は自分は上海、幼馴染はシンガポールにおのおの単身で駐在しており、お互い会話に飢えていたのか、10時間近く話し込んだ。
いろんな会話をした中でも印象に残っているのはマイブームの話になったとき。幼馴染が「マイブームは勉強」と言った。社会人なら仕事に活きるスキルを勉強することなどはままあると思うが、趣味的に勉強をしている人は彼が初めてだった。なんだかかっこいいなと思った。

後日、「暇と退屈の倫理学」という本を読んだ。本書には勉強をすると人生が楽しくなると書いてあった。

先の幼馴染との件もあったので、自分も趣味として勉強をしてみようと思い立った。しかし、これまで必要に駆られない勉強をしたことがなく何の勉強をすればいいのかわからなかったので、まずは千葉雅也氏の「勉強の哲学: 来たるべきバカのために」を読んでみた。

勉強は継続することが大切で、そのためには自分の中にあるこだわりを見つめて、それに関するテーマを選ぶといいらしい。勉強テーマを発想するためのワークがあったのでやってみた。

ワーク1:日々の生活の中で感じていることを書き出してみる

日々の生活の中で感じていることをなんでもいいから書き出してみて、そこから勉強テーマを連想していく。自分の場合は、


仕事があまり楽しくないし、いまいち情熱を燃やすことができない。上の人達も楽しそうに仕事をしているようには見えない。これってうちの会社だけじゃなくてどの日本のメーカーもよく似たようなものかも。今は海外顧客向けにグローバルに仕事をしているけど、嫌になってきた。英語に毎日触れないとすぐ喋れなくなるから少しずつでも勉強するようにしてるけど、時間的負担が大きい。英語を勉強しなくてよければ他のことにもっと時間を割けるのに。


といった感じ。少々愚痴っぽくなってしまったが、ここからなんとかキーワードを連想すると、グローバル資本主義、ポスト資本主義、経済学、グローバリズム/反グローバリズムといったところだろうか。

ワーク2:自分年表を作成する

こちらのワークでは、生まれてから今までにあった主要な出来事を年表にする。出来事は自分に関わるイベントの他に社会的なイベントも記載すると、後者が前者に影響を与えた場合に可視化できるのでよい。自分の年表をざっくり書くと、


  • XXXX 奈良県に生まれる

  • XXXX ハリーポッターやダレンシャンにはまる

  • XXXX 大晦日は紅白じゃなくてK1を見て過ごす

  • XXXX 親の影響で洋楽を聴き始める(ビートルズ、QUEEN)

  • XXXX 中学入学

  • XXXX 高校入学

  • XXXX 大学入学

  • 2011 東日本大震災

  • XXXX 入社

  • XXXX 中国赴任

  • 2019 コロナウイルスが流行

  • XXXX 結婚


といった感じ。
次に、子供の頃夢中になっていたものを挙げていく。自分の場合は、ポケモンのゲーム、遊戯王カード、推理小説(特に海外ミステリ。アガサ・クリスティなど。)、絵を描くこと、ハリーポッターなど。

最後にこれら2つを見比べながら無理やりにでも共通項を探し、勉強テーマへと昇華させる。

  • イギリス出身作家によるファンタジー/ミステリ小説 → 異なる世界観、イギリス、海外 → 民俗学(フォークロア)

  • 海外赴任、海外コンテンツ → 異文化 → 文化人類学

  • 推理小説、ファンタジー小説 → 知的刺激 → 哲学、文学

私は実際にこのワークのあと民俗学を勉強し始めた。関連する本を読んだりポッドキャストを聴いたり、たしかに面白いし、民俗学ブームがずっと継続している。
上に挙げた他のテーマも追々勉強してみようと思う。

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