『ミリオンダラー・ベイビー』唯一のツッコミどころ(ネタバレあり)

 本日、『ミリオンダラー・ベイビー』という映画を観た。
 前々からタイトルは知っていて、偶然アマプラで配信されているのを見て気になって観てみたのである。
 結論、前半はボクシング選手の王道ストーリーに熱くなり、後半は人生とは何かについて考えさせられる傑作だった。

 しかし—――

 一点だけツッコミどころがあったので、今回はそれを述べる。
 批判とかではなく、自分の知っている分野のことでツッコミどころがあって、単純にツッコミたくなったからツッコむだけである。

唯一のツッコミどころ

 では、ツッコミどころをあげる。
 物語の後半部分のネタバレになるので、まだ観ていない方はここから先は読まないでください。

 ヒロインの女性ボクサーが頸椎損傷による四肢麻痺で病院に運び込まれた後のシーンのことである。
 彼女は、気管切開を行っており、そこに人工呼吸器が繋がっていた。
 ここまでは良いのだが、その後すぐ彼女は普通に言葉を話したのである。
 
この図を見て欲しい。

 

 気管切開は、声帯より下の気管軟骨もしくは輪状甲状靱帯を切開しておこなう。
 そして、この映画の主人公は人工呼吸器を気管切開部分のカニュレに繋げていた。この場合、声を出そうとしても肺から出た呼気は声帯にうまく辿り着かない。

 だから声はきちんと出ないのである。

 訓練すれば、口から吸った空気で声帯を震わすゲップ音での発声はできるが、主人公は歪みもなく普通に話していた。
 というか、ICUらしきところに、普通に、私服で入り、患者に触ることのできるイーストウッドもよくわからない。

 医療監修がいなかったのかもしれないが、ガチでこのシーンはツッコミどころだった。最後ヒロインは舌を噛み切ってから、しゃべれなくなるが、実際はあのような感じが事故後はずっと続いている感じだ。
 
 ツッコミどころはあるにせよ、内容はガチで良かったので、観てよかった作品だった。

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