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「地方消滅」書かれたとおりになるものか

コラム連載 35 日々勉強 日々感謝
「地方消滅」書かれたとおりになるものか

 6月8日、日本郵政(株)増田寛也社長を表敬訪問。全国に10局ある中の一つ、北海道初となる環境配慮型「+エコ郵便局」当麻郵便局誕生に対し、東京本社でお礼のごあいさつをさせていただいた。
 日本郵政グループは、全国の郵便局ネットワークを通じて、郵便・貯金・保険の三事業を中心としたさまざまな商品・サービスを提供。店舗数で日本一のコンビニ5万店舗に次いで多い、郵便局2万5千店舗を束ねられている。元 岩手県知事・総務大臣・内閣府特命担当大臣などを歴任された増田社長に私から、以下の要旨を申し述べた。

○増田社長の編集・著作「地方消滅」(2014年8月初版)。町職員時代に大変な衝撃を受けたと同時に、「書かれたとおりになるものか!よし!やってやる!」という強い決意を抱いた。ないものねだりではない、「できない理由より、できる理由を考え行動する」。私の公務員人生のバイブルとも言える本の一つ。「食育・木育・花育」3育による地方創生へのさまざまな前例のないチャレンジ、手遅れとなる前の勇気ある行動への後押しをいただいたこと、感謝したい。結果として、今のまちづくりにもつながっている。

○全道、全国に多く立地し、重要な地域インフラとでも言うべき力を発揮されている郵便局。今後の更新、建替えには当麻郵便局のように、林業振興への後押し、カーボンニュートラルの実現へ、北海道産材を、国産材を最大限活用し、木質局舎の整備を推進いただきたい。強く願っている。

 増田社長には、当麻町が進める「食育・木育・花育」3育のまちづくりをはじめ、町産木材活用促進事業を活用した新築住宅が数多く建ち、転入者が転出者を上回る社会増を複数回記録していること、当麻町森林組合の正職員数が大幅増となり若返りが劇的に進んでいることに対し、強い関心を寄せていただいた。
 そして大変うれしいことに、+エコ郵便局として建て替える今後の局舎については、木質局舎とすることを当麻町の事例も参考に前向きに展開していきたいと思いを語っていただいた。全道、全国の林業・木材製材加工関係者にとって大変な励みとなるお言葉、心より感謝申し上げたい。

 増田社長にはぜひご来町いただき、当麻町役場新庁舎、先端デジタル技術が駆使された農業施設、林業施設をはじめ、官民が連携した新たな取り組みなど、ご案内させていただきたく思う。叶いますなら「当麻町での再会、心より楽しみにしています」。

※著書「地方消滅」引用データである日本創成会議推計の将来人口では、2023年には当麻町の人口は5,800人ほどと予測されていたが、2023年5月末現在の人口は住民基本台帳ベースで6,149人。当麻町は人口減少が進むペースを大きく抑制させている状況にある。

当麻町長/村椿哲朗
(令和5年7月号・広報とうま掲載コーナー・第35回随筆)

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