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嫌いで連帯したらダメなんですか?【新・群れラジオ#19】

今回は、君主論はおやすみです。群れ研で話題になっていた「嫌いで連帯すること」についてラジオで深掘りしていきました。

嫌いで連帯するとは

きっかけとなったのはこちらのツイート。

引用の引用を引用します

これはスラムでも昔から言われていることで、「嫌い」で連帯するのはすごく強い力があるから、禁止事項として最上位に掲げられているくらいです。

スラムのルール第一項

なんとなく「嫌い」で連帯するのは良くないことのような気がするから避けるようにしてましたが、どうしてダメなのかを改めて考えてみようと思います。

嫌いで連帯は悪いことなのか?

たとえ「嫌い」という感情であっても、たとえば社会的に孤立している人がほかの人とつながるきっかけになるのなら有用かもしれません。

https://note.com/danshikaji/n/nef5b5275ad64

でも、嫌いで連帯する悪い側面の方が強いから推奨されていない、というのが実態だと思います。ということで、どういう点がよくないのかをラジオで話していきました。

嫌いで連帯してはいけない理由

①つまらないから説

嫌いで連帯するのはとても簡単で、分かりやすい単純な群れができてしまいます。スラムでは多様な価値観があふれる群れが推奨されているので、人々があまり単純なつながり方をするとつまらない集団になってしまいます。

対照的に、「好き」で連帯するのは難しいよね、という話もありました。好きという感情は多様で、お互いに干渉しないから、なかなか群れを作れません。その分、好きの気持ちは個人の中に凝縮して、熱烈な推しの感情となってあふれ出るのです。それは、傍から見ていてもとても面白い熱量だと。

②運が悪そうだから説

嫌いというネガティブな感情を出しあうことは、運気を下げると思われます。悪口を言う人のまわりには悪口を言う人が集まる、みたいなやつで、そうやって形成された悪口集団にいることは不健康な気がします。

ちょうど「滝沢ガレソ」さんが私刑されているという話が取り上げられて、嫌いで連帯した人たちは嫌いで連帯されて瓦解するのではないか、という意見もありました。

どうせなら、お互いに褒めあう、プラスの感情がうずまく集団に所属していた方が幸せになれる気がしますね。

③密になりすぎるから説

「嫌い」は「好き」よりも影響力が強いので、「嫌い」を表明すると共鳴して強く連帯してしまいます。「嫌い」は敵と味方がはっきりするからまとまりやすいです。結果としてお互いが親密になりすぎてしまいます。

親密になって男女のカップルが誕生するのもいいかもしれませんが、コミュニティにおけるトラブルのほとんどはお金関係と男女関係です。運営側としては、あんまり密になられると面倒なことが増えるのです。

密になると、めだかですらいじめが発生するという研究結果もありましたし、適度な距離感を保つ「ソーシャルディスタンス」を維持するためにも、嫌いで連帯するのは避けた方がいいのかもしれません。

④弱い紐帯を維持するため

ここまでのまとめになります。

嫌いで連帯するのは簡単でつまらない上に運気が悪くなります。そんな安易に救われてはいけません。スラムでは皆さんの深い絶望と、その先の諦めを経て妖怪へと進化することを期待しています。

また、嫌いで連帯することは密になりすぎてトラブルを生みます。もっと弱い連帯、ネットワーク科学でいうところの「弱い紐帯」を維持することが情報のハブを生み、地下水脈としてのスラムを育てていくのです。

好きで連帯することはできないの?

たとえばアイドルグループが好きだという人同士で連帯することができるか、という話がありました。自分が好きなのはアイドル自身であって、別にドルオタ同士で仲良くしたいわけじゃない、と思ったら全然連帯できません。

ゲーセンで友達ができるのか、という話もありました。たとえば一人で遊ぶビートマニアなどの音ゲーをやっていても、なかなか他の人と話す機会はありません。

でも、格ゲーであれば、必ず相手が存在して、ゲームを通して相手にも興味を持つようになります。そうやって他者と交流する要素があれば、相手に関心をもって、連帯する機会が増えるかもしれません。

「好き」は他者が介在しないパターンが多いので、なかなか好きで連帯する機会が少ないのかもしれないと思いました。もしくは、他者と関係するものが好きな人は「陽キャ」と呼ばれるのかもしれませんね。

その後

スラムでは多様性が大事だよね、という話からダイバーシティ&インクルージョンは大企業における生産性を上げるのか、いやそんなわけないだろ、みたいないつも会社トークになりました。今回の記事では割愛しますので、興味のある人はぜひラジオを聞きに来てください。

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