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ホビー的不動産履歴 #2

自宅の購入&リノベーションに貯金をすべて使い切ってしまったため、次なる物件を購入する資金が貯まるまでは、不動産についての勉強期間と決めていたんです。

あの物件が僕の目の前にドラマティックに現れるまでは。

ということで今回は、僕の大家業デビュー作となる2件目の物件のストーリーを書いていこうと思います。

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運命の出会いは突然に

自宅への引っ越しを2011年2月に終え、自宅で東日本大震災を経験したあとの2014年のある日のこと。

※ちなみに自宅は昭和43年築と古く、震災時にはまだ引っ越して1ヶ月だったので、大揺れした瞬間にローン返済予定表のイメージが頭をよぎり、返済表が揺れてる幻覚が見えたのを覚えていますが、無被害でした。


仕事が休みだった僕は、最寄駅前の中華料理店に一人で昼食を食べに行くところでした。いつもの通り道にある電柱に、見慣れない看板が出ているのを見つけて近付くと、なんと驚きの情報が書いてありました。

看板

僕は目を疑いました。
なぜって、書かれている価格が周辺相場のわずか1/5程度の価格だから!!


東日本大震災以来のショックを受けた僕は、食事なんてしてる場合じゃない!と、看板に書いてある番号に電話をし、管理人さんの奥さんにお願いして今すぐ中を見せてもらうことにしました。

マンションの中庭を通って玄関にたどり着くまでのわずかな間に、あまりのチャンスボールが急に目の前に転がってきたことへの興奮と、ちょっと冷静に時間をかけて考えた方がいいんじゃないかというブレーキが、頭の中をグルグルと巡りました。

なんせ僕はただ、昼ごはんを食べに家を出ただけなんです!


どうしよう、どうしよう、という思いで玄関を開けると、
まぁ、なんということでしょう!

ビリビリの障子紙にカビのはえた壁紙。住まい手の愛情がまるで感じられない殺伐とした内装。

まるで再現ドラマのセットのような空間を見るやいなや、僕のドキドキは不思議とスッと収まりました。

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「あ、いける。」

仕事柄、古びた空間は見慣れているし、ボロボロの空間がリノベーションで劇的に蘇ることも知っている僕としては、自分にとって解きやすい、でも多くの人にとっては解きづらい、ラッキーな問題がテストで出てきたような感覚がありました。


ようやく落ち着きを取り戻した僕は、ものの5分で管理人さんの奥さんに、「いまから家に帰って申込書を書いてくるので、30分以内にまた来てもいいですか?」と伝え、猛ダッシュで帰宅して、申込書にハンコを押し、急いで物件に戻りました。

申込書を手渡しつつ奥さんに、「なんで電柱に看板を出す方法で売り出したんですか?他に検討されている方はいるんですか?」と質問すると、面白いストーリーが聞き出せました。


この物件の売主さんは80代で、最近までお知り合いに賃貸していたものの、借主さんの商売が傾いてしまい2年間賃料を滞納されたため、裁判所で強制執行をしてもらい、立ち退いてもらったそうです。

ご高齢の体に鞭打って、やっとのことで出て行ってもらったものの、内装はボロボロでとてもそのまま貸せる状態ではありません。

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ご年齢を考えると、ここから改装費をかけても回収できる見込みがないし、そもそもそんな元気も残っていないということで、売主さんは管理人さんにどうしたらいいか相談されたそうです。

そしてこの管理人さんは不動産屋が大嫌いらしく、「絶対に不動産屋なんかに頼むべきじゃない。俺がなんとかしてやるから任せとけ!」と言って値付けをし、手書きの図面を書いて看板をマンション前に貼ったところ、1時間以内にたまたま僕が前を通り、申込書を持ってきたということでした。


ラッキーの先の大問題

10年に一度も起こらないであろうラッキーな機会に恵まれたと喜ぶのもつかの間。僕の前に大きな問題が立ち塞がります。

そう、なにを隠そう2年前に自宅を買ったばかりの僕には、いくら激安とはいえ現金でこの物件を購入する貯金などあるわけがありません。


とはいえこの2年間、僕もボーッと過ごしていたわけではありません。

僕が次に買えるとしたらきっと古い物件になるであろうこと、そうした物件でもローンが組める可能性がある金融機関はどこで、金利が何%なのか?の下調べはすでにしてありました。

善は急げとお目当ての金融機関に電話をし、昭和39年築と古いですが、できるだけ長期間の融資をしてほしいと伝えましたが、要約すれば「バカ言わないでくださいよ、そんな古いの最長5年ローンがいいところですよ。」との返答が戻ってきました…。


当然こんな電話くらいで引き下がるわけにはいかないので、とにかく審査申し込みのための面談のアポを最短でとらせてもらいますが、なんと審査には最低でも2週間はかかるというではありませんか!

ここはなんとか管理人さんを説得して2週間待ってもらうしかありません。

焦る気持ちで電話をすると、管理人さんは「実は、ムロタさんの後にもう5組も申込みが入ってきたんですよ。ちなみにムロタさん以外は全員現金で購入されるそうなんです。」と言うではないですか…涙


金融機関からは5年ローンしか難しいと言われるし、管理人さんからは6番手まで入ってると言われるし。

どうする、この状況!?


ということで、文字数も多くなってきたところでちょうどジャンプ漫画みたいな展開になってきたので、今回はこのあたりで!

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次回、

『行く手を阻む5人の使者。迫る超決戦!物件を買えるのは誰だ!?』

絶対観てくれよな!


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