湯けむり温泉旅行 大分・別府

叔母が気っ風よく2泊3日、家族水入らずの素晴らしい旅を計画してくれた。

10月の3連休の予定は残念ながら台風の影響で延期となり、先週末私にとって初めての大分への国内旅行。東京羽田から大分空港までは約1時間程。

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うとうとしているうちに大分空港に到着。レンタカーを借りて、祖母と叔母、妹カップル達と2台でまずはホテルにチェックイン。

くねくねとした山道を行くとホテルに到着。

街のお店の看板が都会と違い個性的で面白い。交通機関は車がないとお年寄りには不便そうだが、山と海にかこまれた大分のスッとした空気で育った木々たちは青々と茂り、私たちが到着してくれたのを歓迎してくれているように美しい黄色や赤い紅葉へと変化を遂げていた。

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ホテルから見下ろした景色はまるで異世界。

湾岸線を見下ろした上には細長い雲にぽっかりと浮かび、傾斜の一つ一つからは温泉街の旅館や小さな家屋がお行儀よく並んでいた。山に囲まれた白煙は、まるで竜宮城のような雰囲気を醸し出している。

夜になるとホテルの正面玄関の窓からは別府市内を一望することができた。

まるでクリスマスのイルミネーションを彷彿させる山並み。

湯船につかり、部屋へ戻る途中の連絡通路の上からは、温泉街の絶景を見下ろすことができた。祖母と3人でゆったりと大分観光をしながら朝晩2回も温泉に入浴することができ、本当に贅沢な時間を過ごすことができたとしみじみ身も心も温まったのだった。

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ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ *2019年8月開業

日本有数の温泉地である別府に、今までにないラグジュアリーリゾートが体験できる。

祖母の話になるが、昔の女性は本当に筋が通っていてしなやかで強いと改めて思う。まだ先進国として勢いがあった頃の戦時中の日本の世の中を経験した人たちと全く新しい時代を生きる私たちさとり・ゆとり世代。

「自分の人生だ」という概念は、どこかで必ず揺らいでしまう瞬間があるように思える。

人生は選択の連続だ。このままで良いのか迷っているときに、きっと頼りになるのは信念をもって物事に取り組むことだ。

どうも社会人になってから、「習慣づける」ことが苦手な私にとってやはりこういって自分の思いを吐き出せる場所が存在することで、日々工夫しながら改善し、心と身体のバランスをうまくとっているとも言える。

大分に到着し一息ついてホテルにチェックインした後、夕方は結婚式ぶりの従姉妹夫婦と再会することになった。

従姉妹は3人の子育てに追われ立派なお母さんになっていた。看護師として急性期病院の小児科の看護しとして立派に任務を結婚するまで勤めた。私より背は5センチほど高くスラッとしていてさらに色白だ。

「久しぶり!」

か細い線をした腕でしっかりと赤ちゃんを抱っこしている。

走り回る子供達を横目に、ソファに腰掛けながら叔母がわざわざ自宅からこしらえていたバタークッキーとアールグレイティをご馳走になった。(旅先にお気に入りのティーバッグを持参するのは素敵な心得だと思い、今度から私も真似することにしよう)

親戚一同で団欒。一息つきながら、こちらでの生活はどうか?と聞いたとき「充実しているけどやはり友人が近くにいないし結構孤独だよ。」と言っていた。旦那さんも子育てに積極的で「別府最高。てっきりもう都会には戻りたくないや。」という回答を期待していた私にとっては予想外だった。

幼少期は祖母の家の近くでよく妹と3人で遊んでいた。1個上の従姉妹は私にとってお姉さんのような存在で何かしら真面目な姿勢にはいつも尊敬の念を抱いていたことを覚えている。

しかしながら、社会人になりなんとなく結婚式以来は九州に嫁いでしまった従姉妹と疎遠になっていた。

たわいのないことで笑いあえる家族がいると思うと、少し私もまた頑張れる。

何より最後に見せてくれた祖母の笑顔が私の心を解してくれたのだった。

ありがとう、大分。


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