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2023.07.03 ドイツでガーンの手術してみた

手術のあった1日を書いておこうと思う。

朝一番、病院の待合室で名前を呼ばれて別室に。
英語が話せないスタッフのおばちゃんと、ドイツ語の話せない僕とで、なんとかやりとりしながら丸裸になり、(ピアスやアクセサリー類も全部取る)病院の用意してくれてるボワボワパンツとポンチョに着替えてベッドに寝かされた。

ここの学生さんだろうか、若い女の子とおばちゃんで、僕が寝てるベッドをまた別室に移動してもらって、手術室の近くにある待合室に来た。
両手首にカルーテル、腕には血圧用の巻くやつ、指には脈拍を測るやつ、体には心電図のケーブルと、なんかいよいよ手術っぽくなってきた。
時々看護師さんが来て、色々質問してくれるんだけど、みんな英語があんまり話せない様で、片言で何とか乗り切る。

ドイツ舐めてたぜ。

ベッドも手術用の小さなやつに移動して、いよいよ手術室へ。
ベルトで体が動かないように固定されて、目に入るのは自分の心拍数とかが写ってる機械と、明るいLEDの照明と、周りで準備するスタッフとお医者さん。
Netflixかなんかのワンシーンみたい。

今回手術してくれる女性のお医者さんは、僕の肩を摩りながらゆっくり優しく英語で話してくれて、ちょっと冗談が言えるくらいの余裕があった。

「これから口にマスクを付けるから、ゆっくり深呼吸してね。」

と、映画でよく見るマスクが僕の口元に置かれ、吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー、吸ってー。

と何回か言われた後、おお!この感覚は、、、と感じた後に、ふと、目が覚めたら、どうやら別の部屋らしい天井が見えた。

あれ、俺、寝てたのか。
今何時だ?
手術の記憶が全くない。

周りではスタッフの人たちが忙しそうに動き回ってる。

手術終わったんだ。
と、ゆっくり自分の体を見てみると、いつの間にかベッドも変わってて驚いた。

時間を聞くと、どうやら手術前から2時間は経ってる。

途端におしっこに行きたい!
少しの間我慢してみたものの、いや、これは本当に行きたいやつだ!
忙しそうにしてるスタッフの人に尋ねると、今すぐ行きたいの?ちょっと待って!と尿瓶を持ってきてくれた。

これも初めての経験だ。

なんか手術より恥ずかしい。
ベッドの上でひとり、ポッとなりながらこぼさない様に慎重に用を足して、終わった後の爽快感ときたら。

まだ麻酔が効いてるのか、ボヤーっとしたまま、しばらくすると病室に運ばれた。

手術がどうだったのかとか、一切何も言われないんだけど、これって成功したってことでいいんかな。と思いながら、病室で出された簡単な食事(ペンネのパスタとカップケーキ)と薬を飲んだ。
癌細胞に糖分は天敵だと聞いてたのだけど、ここでは関係ないみたい。


同じ病室にはアフリカ系の兄ちゃんと、ドイツ人のおじさんがいて、おじさんはなんか見るからにすごく元気そうで、私服に着替えて何処かに行ったりしてる。
アフリカ系の兄ちゃんの周りには、親族だろうか、次々いろんな人がお見舞いに来てて部屋の中がなんだか和やか。



手術当日、一ヶ月前よりかなりリンパの部分がぽっこりしてる
朝7時に付き添ってくれる小さな神ことビエラ。
入院する病室が快適なのです



数時間経つと、喉や舌の付け根辺りに違和感と痛みが走りだして、これは麻酔が切れたんだなとすぐにわかった。
喉に痰が絡んでる様な辺な感覚。
唾を飲み込んだり、舌をちょっと動かしただけで痛い。
夕方に食パンと洋梨が運ばれて来たけど、到底食べれそうにない。
こんなのが、あとどれくらいの日数続くのかと思うと、一瞬おえって気持ちになるけど、いやすぐに治る治ると自分に言い聞かせる。

場所や痛みは違えど、癌の治療をしてる人の気持ちが少しだけわかった気がした。

食べれない、飲めない、喋れない、寝れないは結構辛い。



ここは病院なのにえらく居心地が良いのは、部屋の壁一面が窓になってて、そこからベルリンの街が一望出来て、常に太陽の光が入ってくるからだ。
ベッドも電動で調整出来るし、ネットは使えるし、トイレも清潔だし、その辺の安宿よりよっぽど居心地がいい。

トイレの鏡で首の腫れを確かめてみると、手術前よりもひと回り小さくなってる様だった。

明日一日で、この痛みだけでも落ち着いたらいいなあと願いながら、結局手術はどうだったんだろう。と聞けないまま、もうすぐ夜が来る。

あの優しいお医者さんに会ったらお礼を言いたい。








ツイッター界隈が何やら騒がしいね。


ベルリン中の地下鉄を巡るアカウントです。
まとめて本にしたいのです。



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