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2023.08.20 二度目の抗ガーン剤が

人生初の抗がん剤体験から約3週間、二度目の抗がん剤。
体調はすこぶる良いし、すっかりリンパの腫れも引いたので、これはあわよくば、もう抗がん剤しなくていいよ。って言われないかと思ったんだけど、血液検査の結果、「いや、今日もやりますよ。」と。

基本4回が最低ラインなんだって。
ガーン細胞が無くなるのはそんな簡単じゃないらしい。

部屋に通されると、そこには5、6人の人が椅子に横たわって抗がん剤を入れてる。
寝てるお姉さん、本を読んでるお婆ちゃん、バナナを食べてるおじさん、みんな定期的に来てるんだろうか、小慣れた感じで抗がん剤を入れてる2、3時間を思い思いに潰してる。

終わった人から部屋を出る時に、良い一日を!って挨拶していくのがいいなあと思った。

僕が終わる頃にはもう誰もいなくて、気分が悪くなる前にとっとと帰っとこうと、スーパーに寄って帰った。
一回目の感じで、抗がん剤の副作用は大体掴めたと思って、ベッドでダラダラしてると、夜になって始まった。

急に気持ち悪い。

やっぱり来るのね。と思いながら、定期的に気持ち悪くなるのを堪えて寝てるんだけど、結局朝まで寝れない。
先日までが嘘の様に、また食欲も全くなくなって、食べ物の匂いも嫌だし、薬を飲むのを想像するだけで吐き気が出るので吐き気どめの薬も飲めない。

そんなタイミングで、一ヶ月ぶりにイスラエル旅からビエラが帰って来たんだけど、イスラエルの話を聞く余裕もなく、僕は撃沈。
ビエラも帰って早々、僕のマルコメ病弱っぷりに心配しててなんか申し訳ないんだけど、大体3日経ったら復活すると思うからと、放っておいてもらった。

僕の場合、副作用で吐き気と立ちくらみがあるみたいで、トイレ以外はベッドで寝てることしか出来ないのが、2日程続いた。
その間は無理に食べたりせず断食。

ずっと寝てるんだか起きてるんだかよくわからないんだけど、とにかく定期的に気持ち悪い波がやってるので、その度、昔、抗がん剤をしてた母のことや友達のことを思い出して、みんなこんな感じだったんだなあと、当時のことを思い出してた。

前回は3日目で吐き気が落ち着いたので、今回もそれでお願いします!と願いながらの3日目の朝。


ちょっと気分が治ってる!

ビエラが桃を切ってくれて、一口食べてみたら美味しい。
よしよしと、うどんを茹でてツルッといってみたら、味や匂いに少し違和感はあるものの、これもイケる。
毎日食べてた納豆やキムチが急に臭く感じるのが不思議でしょうがないんだけど、食べながらやっぱり臭い。
薬の影響が味覚や嗅覚にもあるのが不思議でたまらない。

同じく、耳に入る音楽や声、目に入る絵や映像、全部好き嫌いが面白いくらいはっきりするから、頭で色々考える作業よりも、好きなアートとかを感じてる方が心地いい。

人間も細胞も菌も思ってたより割と繊細で、好きが嫌いになるのなんて紙一重なんだなあと感じる。


こんな治療を最低でも後2回やるのかと思うと、なんか心は曇るんだけど、人生に吐き気がないだけでも、こんなに幸せなのかとも思う。

世の中のつわりで悩んでる全ての人が良くなりますように!と思える様になった。

やっと落ち着いて、実はビエラがイスラエルでロストバゲージして手ぶらで帰って来てた話や、あっちがどれだけ楽しかったかって話を聞きながら、なんかビエラと話すのも一ヶ月とは思えないくらい随分久しぶりな感じがした。

病の一ヶ月は長い。

気分さえ悪くなくなれば、あとは気分よく上がるだけなので、3度目の抗がん剤まで伸び伸びしようと思う。

病院から色んな種類の薬を貰ってるんだけど、僕は飲まなくてもイケるみたいで、その辺もラッキーだなあと使ってない。
こういう時こそ、身体に入れるものは自分の欲しいという感覚に従おうと思う。

今日からまた少しずつ散歩生活の始まり。




Monopolでやってるアーティストの作品はみんな気持ちが良くて好き。
病院に行く前に、時間を調べずに寄ってみたら完全に時間外で、パフォーマンスや光の作品は見れなかったけど、会場には僕だけだったから、これはこれで贅沢な時間だった。





Monopol


Runa Ikeda


Ryoji Homma














いや、これ誰かからサポートあった時ほんまにむっちゃ嬉しいんですよ!!