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◆DAY87 上海タンゴマラソン③秘密の目くばせ

*2019年11月17日*

たけし先生の言葉に励まされ、「わたしはわたしのタンゴを踊ろう」という気持ちで2日目に臨む。


ミロンガ開始は16時から。17時ごろ下に降りると、すでにそれなりの人が踊り始めていた。さすがはタンゴマラソン。気合が違う!

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フロアをあらためて観察してみる。

くびれを惜しみなく披露したロングヘアの美女。そんな美女とばかり踊っているドン小西似のおじさま(←美女は眉根を寄せ悩ましげに踊っている)。はたまた身のこなしもスマートなボンボン風の優男や、金持ち風の小太りのおじさま……などなど。

とにかく踊り手がバラエティに富んでいて、見ていて飽きない。


そしてこの日、私に人生最大のモテ期が訪れた。

初日と心構えが違うからか、衣装(ドレスコード"Neon Style"に合わせたお気に入りの緑のドレス)が良かったのか。
なんだか男性からの、オファーがすごい……!

少し休もうと携帯を触っているときですら、近くまで来て直接誘ってくる。上海、肉食すぎる……。

仲良くなった中国人と「あとで踊りましょう」と約束したのに踊るタイミングがなく、あとで再会したら、「すごい人気だね。君の前に男性が順番待ちしててなかなか踊れない」と苦笑される。

昨日踊った何人かにも再びお誘いを受けた。
一度踊って「この人とはもういいや」と思ったら次はないはずだから、何かを感じてもらえていたと思うと嬉しい。

丸2時間踊り続け疲れてきたので、20分ほど部屋で休むことに。
その後19時半から22時ごろまで再び踊りっぱなし。この時点ですでに20人以上と踊っていたと思う。

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(テーピング、持って行ってよかった……!)

モテ自慢をしたいわけでもなんでもない。
そもそも昨日は全然、だったから。

途中からブルーになり、後方の目立たない席で自信なさげにうつむいていた初日。
そこから気持ちの持ちようでこうも変わるのか、ということなのだ。

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結局約30人以上と踊った、まさに"タンゴマラソン"だったこの日、特に印象に残った男性が二人いた。

一人目は、優しそうな50歳くらいの中国人。なんとなくお互い通じるものがあり、5タンダも踊った。
その方が私に5回目のカべセオをしたとき、すぐ隣に座っていた女性がにっこり笑い、席を立つというアクシデントが発生。タンゴあるある、カベセオ勘違い……。
そこでその殿方はどう対応したか?

狼狽えることもなく、勘違いを訂正することもなく、その女性に手を差し出しながら、こっそり私にウィンクしたのだ(またあとでね、のサイン)。

わぉ。ウィンクとは……やるなおぬし!
ウィンクを自然に使いこなす日本人は滅多にいないので、そのふるまいに新鮮な感動を覚えた。


ただ、なんとなくの雰囲気で女性も勘違いに気付いてしまい、結局そのタンダは私と踊る結果に。
次のタンダであらためて誘っていたけれど、せっかく「女性に恥をかかせまい」と気配りをしてくれたのに……。無念。

そしてタンゴマラソン2日目、もっといえば2日間を通して1番印象に残った踊り手は……

④へ続く


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