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電車内の何がマナーなのか考えた

朝の通勤時間帯の電車内では具合の悪くなる人がちょこちょこ発生する。
今朝も目の前で立っていた大学生くらいの男の子が不意にうずくまった。
誰も見向きもしないことに驚いた。
座席の前でうずくまっているのだから、目の前で座っている乗客の誰かは席を代わってあげてもいいのではないか?
でも座っている人たちは一切彼に目を向けない。無表情。ひたすら無視を決め込んでスマホ画面を注視。
信じられない光景と思った。
私も立っているのでできることは大丈夫か声をかけてあげることだけだったが、かわいそうなことに大丈夫ですとしか彼も答えようがない。
いざというときには手を貸せるよう気にかけていたが、私の方が先に降りることになった。

過日にジョージア駐日大使の優先席座っているnowのツイートが賛否両論話題になったことが思い出された。
大使は優先座席であろうがなかろうが、いつでもすぐに誰にでも席を代わってあげられる精神こそが大事だと言った。
それに賛同する日本人はネット上では多くいるが現状はこれだ。

今日の件に限らず、これは私の乗っている路線地域の乗客特有の性質なのかはわからないが、どんな場面に遭遇しても一切何事も起きていないかのように我関せず通常運転であることが驚きで仕方ない。
以前も車両の奥の方の優先席に座っている男の子がイヤホンで音楽かけて爆睡?してる手元のスマホから大音量のアラームが鳴り続けている。
いくら時間がたっても決して鳴りやまない大音量アラームも困りものだが、その子の両脇に座っている人も前に立っている人も一切の無表情で微動だにしない。ただ電車に揺られているだけ。
次の駅で車両を降りて移動すれば自分は問題ない。
が、私は目の前ではないがすぐ近くにいたので、彼の肩にそっと触れて起こした。
起こされたても彼はイヤホンのせいでアラームが聞こえてないようで、自分のことは棚に上げて迷惑そうな顔を向けた。
私は彼にアラームを止めてもらうことに成功したが、驚いて不快な気分を経てやがてこの人たちは人間か?!との疑問に包まれ、こうやって直接的な行動に移すか避けるかしてなんとか自力で自分の気持ちを昇華させる。

そして、ああ、日本人はほんと上には従うように徹底的に飼いならされてるんだなと今日も思い起こした。そういえば車掌さんや優先座席には体の不自由なお客様、体調の思わしくないお客様に譲ってくださいとアナウンスはするが、そうでない席の扱い方には触れたことがない。だから乗客は列車の司令官である車掌従っているのだろう。よくわかる。しかも、最近の車掌さんは非常に攻撃的で、イラつきながら「体調に不安がある場合は無理して乗り続けず途中駅で降りてください」と放送していたのを聞いたことがある。

東京の電車のダイヤはものすごく正確。そして1分の遅れで車掌さんは言い訳をアナウンスし始める。「ただいま〇〇駅で急病のお客様を看護しました影響でこの電車は1分の遅れで運行しています。」と。
そういうことが頻発し、乗務員はそれを迷惑そうに先のとおり「途中駅で降りてください」と命令する。降りてくださいはないだろうと思う。
なんでも言い方の問題で、これは具合が悪くなった人への気遣いではなく、明らかに具合が悪くなった人に周りの乗客に配慮して振るまえという空気感を醸し出していた。
この乗務員はいつもこういうアナウンスをしているのだろう。
しかしたくさんの乗客がこの攻撃なニュアンスの口調に共感同調しているのがわかる。むしろ乗客の圧がこういうアナウンスをさせているとも考えられる。

朝、体の目覚めとともに身体の内部も起動する。
でも朝あわただしいことはよくあることで、室温と外気温の違いや、バタバタしてることで交感神経やその他電気的刺激の乱高下の影響で電車に乗るくらいの時間のタイミングがちょうどおなかの調子が悪くなる。
それは一般的なことで優先席に一切関係のない誰にでも起こりうる。
だから優先席ででない席での扱い方について、これから日本はもっと意識を変えていかないといけないと思う。

東京の路線事情は大変緻密でその中で事故やトラブルを防いで運営していくには、実は人の命を守るための軍隊並みの厳しい訓練が行われている。
だからそれを損なうような乗客の振る舞いには相手が客であろうが大変厳しい対応をすることを何度も目にしてきた。
インフラ事業でありながら責任の重い鉄道会社の運営には有難く思うばかりだが、しかも接客サービスも向上も図っていかなければならず本当に大変だと思う。
常に車内アナウンスの内容をアップデートしていることが感じられるが、言い方も考慮してもらえるようになるといいなと改めて思った朝でした。

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