子どもの頃の遊び場所

 天気が良かったので、ふと子どもの頃遊んだ公園に行っていました。子どもの頃といっても小学生低学年くらいの頃なので、もう20年近く前かもしれません。親に連れられていったり、友達と一緒に何度も遊びに行ったりしましたが、小学生高学年にもなると、他のもっと遊べる場所に行く、と思うようなこじんまりした公園です。

 その公園は、温水プールや野球・イベントなどを行うグラウンド、コテージ、テニスコートなどがある一帯の、市営住宅が立ち並ぶ裏手にあります。

 その日はとても天気が良くむしろ暑いくらいでした。小学生たちがグラウンドで野球をしていたり、テニスコートでテニスを楽しむ一家がいたりしました。コテージの方は残念ながら無人でした。

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 公園のほうは、なにせ小さいころ行ったきりだったので、「あれ、こんな道通ったっけ?」とか「こんな場所にあったっけ?」とか、断片的な記憶との差異に初めて来る場所のような興奮を覚えながら、目指していきました。

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 公園に近づいていくにつれて、地蔵さんがたくさん増えていくことに気付きました。それも1メートルごとにおいてあるような数なので、「まさか自分が子どもの頃遊んでいた場所はなにか信仰のある場所だったのか?」と少しドキドキしました。

 そのまま進むと、案内板があります。案内板には、目指す公園の名と、「霊場」の文字。子どものころは知る由もありませんでしたし、気付きもしませんでしたが、どうやら私たちの遊んでいた場所は霊場だったようです。

 そして、公園に辿り着きました。休日だというのに子どもはひとりもおらず、ひっそりとしています。遊具は20年前のまま、増えたり減ったりもせず、かわらず佇んでいます。もしや遊ぶ人がいなくて錆びているのでは?と思いましたが、そんな心配もなく、ブランコはスイスイ動き、地球儀はクルクルと回ります。

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 公園の中をうろうろしていると、いろんな記憶がよみがえってきます。地球儀の中で友だちとラムネを食べたな、とか、兄妹でブランコを漕いだなとか、ノルスタジックな気持ちになりました。そして、子どもの頃はあんなに広かった公園はこんなに小さかったのか、と思いました。

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青空にはトンビがくるくると飛んでいます。なんとなくさみしくなったりこわくなったりして(なんせだれもいないので)帰ることにしました。

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