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ボホール旅行記day3 ヘナンタワラリゾートのプールバーと、やたらおいしいアロナビーチのごはん

コンタクトを手に入れて、ようやく見えるようになった視界で、心置きなくホテルを楽しむことができるようになった。ありがとうフェルナンデスアイセンター。

なんせ早起きなので、7時に朝食へ。さらに早起きの夫は、朝から走ったそうだ。旅に出ると急に走り出すのであるこの人は。でも帰るとまた、走らなくなる。そういうとこだ夫。

こちらでは、毎朝だいたい7時くらいから朝ごはん。

私はたんぱく質のためにほぼ毎日同じものを食べていた。ライ麦パン、目玉焼き(油を使わず、水で蒸すように作っていてなるほど!と思った。やってみよう。)、サラダ、あとはチキンを多めに入れたおかゆとかフォー。

子どもたちはワッフル食べたりクロワッサン食べたり。めっちゃ豪華!!というわけではないけれど、和洋中フィリピン料理がそろっていて、パパも子どもも筋トレ中のママのニーズもそれぞれ満たせる。

8日間食べ続けたわけですが、そんなに飽きなかった。(まあ、私はいつも朝ごはん同じものを食べることに慣れているので飽きることはそうないんですけれども。)

朝食を食べて、少しゆっくりしたら、プールにどぼんである。朝のプールというのはほんとうに気持ちが良い。私は今日もランニングをさぼったので、せめてしっかり1キロ泳ぐことにする。1キロを計算するために、プールバーのおねーさんに、このプールは端から端までで何メートル?と、今日もまたつたない英語できくけれど、「どうだろう、わからない、ごめんね」と、言われる。わからないのはプールの長さなのか、それとも私の英語なのか、それはわからない。あいどんのー。でも25メートル以上はありそうである。

息子によると、1枚あたりのタイルが息子の足よりちょっと大きめだったそうで、だからだいたい25cmくらい、で、このタイルがここからここまでの一辺と、ここからここまでの一辺でこれだけあって、そうすると、ここを斜めに突っ切ると…このプールはだいたい、30mくらいだと思う。とのことであった。たまには、息子の数学好きが実生活に役に立つ。

朝からひたすら泳ぎ、そしてややこしい仕事にも対応し、冷蔵庫のサンミゲルライトを開ける。ベランダに出てぐびっとのみ、読みかけの本を読む。少しうとうとして、ふと部屋の中を見ると、泳ぎ着かれたむすめがお昼寝をしている。たくさん泳いで、少し飲んで、ほんの少し働いて、そしてお昼寝して。ずっとこうして生きていけないものかと思う。なにをあくせく働くのか。村上春樹がギリシャだったかハワイだったかの小さな島で感じたのもこういうものだったのだろうきっと。

でもまあ、私はまた、日本に戻り、きっと、働く。その前にでももう少し、ぷかぷかと揺蕩っていよう。

海外に来ると思うけれど、「言葉が通じない」というのはもちろん不便なのだけれど、同時に、こちらが話している言葉が周りに理解されていないという状況は、なぜかとても、気楽である。子どもたちとどれだけあほな会話をしようとも、周りの人にはほぼ100%日本語が通じないため(なんせほんとうに日本人を見かけない)、なんの話をしているかはまったく気づかれていない。

別に秘密の話をしているわけでもなんでもないのだけれど、この、「誰も周りの人に聞かれずに話ができる」状況というのは、考えてみればかなりレアなわけで、(暗号を使って話しているのと同じだ)それは結構、気楽で、過ごしやすい。プールで、なんてことないことを子どもたちと話しながら、でもこれが誰にも「聞かれていない」というのは、こんなになんというか、楽なものなのだなあ、と、思う。

この日のランチは、ホテルの周りをお散歩がてら食べにいくことにした。早めに街歩きをして、だいたいの地理を頭に入れておきたい。

前にボホールへ来た時は、まだ空港がなくて、ホテルのあるアロナビーチ近辺にもそんなにお店は多くなかったと思う。でも近くに空港ができて、この辺りはすっかり「アジアのリゾート地のダウンタウン」といった様子になっていた。なんといってもマクドもジョリービー(フィリピンのケンタッキーみたいな感じ)もある。「何もない島」というのが私は結構好きなのですが、同時にアジアのダウンタウンももちろん大好きだ。フラフラと街を歩くのがとにかく楽しい。

前に来たときに行ったおいしいレストランを探すも、どうにも見当たらない。閉店してしまったのかもしれない。グーグルマップにはまだ表示されていたのだけれど。仕方がないので、近くにあったお店に入ってみることにする。

ここがなんというか、独特の内装で、韓国と中国とあと日本(らしきもの)が混ざったような、なんというのだろう、これは海外の人からすれば「オリエンタル」な雰囲気なのかもしれない。しかしそのミックスされた感じは、当の日本人としては、かすかな違和感となってせまってくる。

サンミゲル(ビール)の瓶に、こうやってペーパーナプキンでキャップして出てくることが多い

ま…間違えただろうか。私はお店選びを間違えただろうか…と、どきどきしつつ、この雰囲気に押されたやや不安げな子どもたちに、「ほら!!これもおいしそうじゃない?」とか言いながら謎のメニューから必死に食べられそうなものを探す。

で、子どもたちが頼んだのがこれ。

えびのクリームスパゲッティwithトースト(やけに白いクリームソース)

ボロネーゼ(的な)スパゲッティと、チキン(らしきもの)withトースト

シュリンプフライ(的なもの)

あとシーフードチャウダー(だけどキムチが入っている)とか、いろいろ。

そもそも私は「アジアの島でスパゲッティは頼むな。」というモットーを強く持って生きている。これは私が生きる上で持つ数少ないモットーである。アジアの島にアルデンテという概念はまったくなく、やわらかく茹でれば茹でるほど良いという信念がどうやらあるようだ。と、アジアの島に何度も足を運ぶうちにわかってきたのだ。

しかし、このややあやしい内装のお店で、子どもたちが「食べたい」と言ったものを頼まなければ、ぜったいに雰囲気が悪くなってしまうと思った母さんは、とにかく子どもたちに言われるがままにオーダーをした。

ところが聞いてください。これが、信じられないくらいおいしかった。

私はびっくりして、二度見ならぬ二度食べをした。二度食べてもやっぱりおいしい。ここにはアルデンテの概念があるばかりか、ソースとのバランスまで考えられている。

もしやと思って付け合せのトーストを食べてみると、これすらうまい。

ふとお店のマダムの方を見ると、訳ありげにうなずいている。私の気持ちが全部見透かされたのかもしれない。気づけば、お店は満席である。どうやらえらく繁盛しているお店のようだ。

あとからGoogle Mapを見てみると、口コミも絶賛の嵐だった。人気店じゃないか。

↓ここです。ボホール行ったらぜひ行ってください。コンタクトはつけて行ってね。

「いいお店」って、東京にいるとだんだん、お店構えとかでわかるような気がしてくるわけだけれど、こと海外だとその「勘」みたいなものが思いっきり外れることが、ままある。そういう瞬間というのもまた、旅の醍醐味である。もちろん逆の意味で外れることもあるわけだけれど、それはまあ仕方ない。旅なんてものは、思い通りにいかない。なんといったって、スーツケースすら届かない。

そう、スーツケースである。さっき、ボホールの空港からメールが来ていた。

「ハッピーでウォームな知らせだよ⭐︎スーツケース、見つかったよ!!⭐︎⭐︎」みたいなテンションのメールである。メールを読んだ瞬間、私は飛び上がって喜んだ。気づかないふりをしていたけれど、あのスーツケースの中にはコンタクトとめがねだけでなく、むすめの荷物一式と、私のジュエリーと、カメラのアクセサリーまで入っているのである。このまま見つからなかったらどうしようかと結構不安だったのである。生きてたらいいことある!!!ロストバゲージのスーツケースも見つかる!!ありがとうフィリピンエアライン!!!ハッピーでウォームだよ!!

…と、喜んだところで思ったのだが、いや待てハッピーな知らせだよ⭐︎ではない。そっちが失くしたんだよスーツケース。

でも、パリ在住の友達がこれを聞いて言っていた。

「あるある!個人主義+分業制だから(且つ委託業者かも)カスタマー担当の人も、バゲージ係の人も、自分がやったという意識が全くないので(そりゃそうだ)、良かったね!って本心で思っているんだと思う。自分の責任ではないので当然謝らない。航空会社を代表してお客様に接している考えはゼロ!」

なるほどである。私はついついあらゆる責任を感じてしまいがちで、まあそれだけならいいけれども恐縮しすぎてしまうところがあり、そのあたりのことについて朝からプールで(だいたい、リゾートに来ても仕事してしまう人間なのである。)いろいろと考えていたので、そうだよなあ、そういう、ボホールの航空会社みたいな心持ちもある意味大事だよな、と、しみじみと思う。

みんなたのしそう。

そういったわけで、またもやトゥクトゥクに乗り、空港へスーツケースを取りに行った。(というか、ホテルに送ってくれても良い気がするのだけれどもそういうのも、ない。)空港でももちろん最後まで一切ソーリーとは言われず、よかったね!サンキュー!と、言われた。なんでやねんと思いながら私もサンキューサンキュー!!と喜んだ。いやほんとうに、私もこういう心持ちで仕事したいものだ。

さて、空港からホテルへ戻ろうとしたら、なんとものすごいスコールである。トゥクトゥクのお兄ちゃんが、どうする?もうちょっと待つ?と言う。この雨じゃトゥクトゥクはさすがに濡れるだろうから、空港の屋根の下で少し待つことにする。

戻ってきたスーツケースと、スコールを眺めるむすめ

ところが、いつもはすぐに止むスコールが、まったく止む気配がない。「もう、行っちゃう?」みたいなことを、トゥクトゥクのお兄ちゃんが聞いている。「行っちゃうか!!」と、やけにはりきった夫が言う。まじ?と、言いながら、それもまあいい思い出か、と、よくわからないことを思い、スコールの中、トゥクトゥクに乗り込んだ。

運転手さんは、マダムにはこれを、と、ビニール傘を渡してくれた。これを窓代わりにするといいよ、ということらしい。いやこれでスコールがしのげるのか…?と、思ったけれど、これが、えらく役にたった。ありがとう運転手さん。この運転手さんもホテルで手配をお願いした人だったけど、すごくいい人だったな。

さて無事にスーツケースが戻ってきて、中に入っていたむすめの着替えと水着一式もやってきた。この旅のために新調した水着をようやく着られることになったむすめは大変ご満悦である。ホテルに着くとさっきのスコールはうそのように止んだので(この、スカッと止む感じ、ほんとうにあらゆるものを洗い流してくれる感じで、清々しくて好きだ。)早速着替えて、プールに飛び込んでいった。

このホテルは毎日15:00から18:00まで(たしか)ハッピーアワーで、ビールやワインやカクテルを一つ頼むと、同じものがもう一つがついてくる。というわけで、私はひたすら2杯飲んでいた。2杯のピニャコラーダ。ばえる。

ちなみにこのプールバーでフレッシュジュースを頼むと、ちゃんとその場で生のフルーツをミキサーにかけてジュースを作ってくれる。ピニャコラーダも、ちゃんと生のパインをミキサーにかけて作ってくれるのである。めちゃくちゃおいしい。

あとなんせここはフィリピン、マンゴーがめちゃくちゃ安い。ほかのフルーツと同じ値段で、マンゴージュースやシェイクが飲める。200ペソとかそれくらいだったと思う。子どもたちが飲みまくっていました。いやジュースはハッピーアワーの対象外なんですけれどもね。

ハッピーアワー対象外なので一杯のマンゴーシェイク。

泳ぎ着かれておなかがすいたので(なんて怠惰で良い生活)、夜ごはんを食べに、再び外へ出る。

お昼にアロナビーチの周りをぐるっと歩き、良さそうなお店をいくつかチェックしておいた。ビーチ沿いなので、きっとも雰囲気が良いはずだ。

バリのジンバラン(…を少しこじんまりさせた)のような、アロナビーチ。ジンバラン(…を少しこじんまりさせた)ようなお店の軒先に、その場で焼いてもらう魚介類が並んでいる。

生演奏つき。ビーチと音楽とビールというのはどこへ行っても良いものだ。

ところでこういうお店はだいたいどこでも、メニューにハンバーガーとかサンドイッチとかピザがある。子どもたちはそういうものをごきげんにオーダーしていた。ここでもむすめはハンバーガーをチョイス。だいたい、どこもおいしい。そりゃ人形町ブラザーズみたいななにもかもが完璧においしい!というわけではないけれど、お肉もジューシーだしケチャップやマスタードもおいしい。そしてなんせ、なかなか、安い。

あと、写真はばえないけれども、アジアの島に来たら「Fried rice」を頼んでおくとまずまちがいない。これはバリでもタイでもマレーシアでもここフィリピンでもはずれなく、おいしい。

ポイントはこの緑のモロッコいんげん?みたいなやつ。うまし。

こどもたちは「garlic rice」にはまりまくって、毎日毎日自分たちで頼んでいた。しかしほんと、筋トレとは?body makeとは?というくらい、毎日よくたべました。


たくさん食べてごきげんになった私は、お昼に見つけた「これはぜったいコーヒーがおいしいぞ」とチェックしたカフェに一人で行き、コーヒーをテイクアウトして帰りました。こういう、ちょっと一人でおでかけ、みたいなのも、楽しい。ちなみにフィリピンではなぜか「テイクアウト」が通じた。

結局ほぼ毎日通ったカフェ「OVERGROWN Café & Bar」

コンタクトでよく見えるようになったボホールは、ほどよくにぎやかで、でもまだ他の大きなリゾート地ほどガツガツしすぎておらず、一人で夜道も歩けるほどで(もちろん最新の注意を払いながら!)とっても過ごしやすいということが、たいへんよくわかった。

ほんとうに、ほんとうに、いいところだと思う、ボホール。

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