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#81 テディ・スウィムズ『I've Tried Everything But Therapy (Part 1)』

服部さんへ

 グリーン・デイの初来日公演に行かれていたとは、ビックリ。それとマムフォード&サンズは大好きなのですが、ファレルとのコラボはノー・マークでした。意外なタッグだと思いましたが、通じ合うものがあったんでしょうね。「Good People」には唸らされました。両者の魅力が生かされた、見事なコラボです。
 ジェイソン・デルーロの新作紹介、ありがとうございます。この人のレゲトンって、よりR&B味が濃い感じで、よい個性になっているなと今作を聴いて感じました。そして、おっしゃる通り客演モノがいいです。ダイドの「サンキュー」使いは、思わずエミネム「スタン」と聴き比べてしまいました。個人的にはエミネム・ヴァージョンが好みですが、ジェイソンらしさがしっかり出ていますね。
 さて今回は、ず〜っとず〜っと気になって仕方がなかった人を取り上げたいと思います。

テディ・スウィムズ『I've Tried Everything But Therapy (Part 1)』

 っていうか、ヴィジュアルを見て退散してしまうのだけは、やめてくださいね。ちなみに、ポスト・マローンの別名などではありません。
 テディ・スウィムズ。米アトランタ出身の31歳。いい歌を歌うんですよ、この遅咲きのニューカマーが。どうか先入観にとらわれず、たとえば以前ここでご紹介したアーティストで言えば、ルイス・キャパルディの仲間だとでも思って、足を踏み入れていただきたい。
 とにかく、じわじわとヒット・チャートを上がっている「Lose Control」を、どうぞ。僕はこの1曲と出会ってからというもの、名前さえまともに覚えられないまま、彼がずっと気になって仕方がなかった。

 しかもこの曲で彼は、<キミが隣にいてくれないと何もかもが壊れてしまうんだよ>なんて、男の弱さを切々と歌い上げてくれちゃっているのだから、見た目とのギャップに戸惑いつつも聴き入ってしまう。
 出自がもうひとつよくわかっていないのだけど、佳曲揃いの1stアルバム『I've Tried Everything But Therapy (Part 1)』を聴くと、それこそポスト・マローンのようにヒップホップ/R&Bもロックも通ってきている気がするし、どうやらカントリーの素養もあるようだ。アッパーな曲の歌いっぷりも、すこぶるいい。
 何はともあれ、「いい曲をいい歌声で聴きたければ、迷わずテディ・スウィムズ」ということで。ここでは昨年リリースされたオリジナル盤をご紹介しているが、これをそのままライヴ録音したヴァージョンも今年リリースされているので、チェックされたし。
                                鈴木宏和


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