#057 Fly Me To The Moon~月へ飛ぶ思い~を想う

Tony Bennett ”Fly Me To The Moon (In Other Words) ”

シン・エヴァンゲリオン劇場版効果で、この古き名曲がちょっと話題に上っているみたいですね。

あまたのミュージシャンに愛されて歌われて来たこの曲。
でも普段よく耳にするのは、実は本来の曲の後ろ半分だけです。
本当はヴァース(前歌)と呼ばれる部分があるんです。

宇多田ヒカルさんは、それもつけて歌ってますね。
珍しいんですよ、こういうの。

で、探してみて見つけたのかトニー・ベネット。
めちゃスローテンポで、前歌からたっぷりと歌っています。

美声ですねえ、この人は(*^^*)
なんともゴージャスで盛り盛りの歌いっぷりも
この声で歌われたら納得してしまうなあ。

ところでこの ”Fly Me To The Moon” と言う曲には
中々面白い歴史があります。
本来は3拍子の曲として書かれたものなんです。

私の手元にある古いポップススタンダート曲集には
ちゃんと3拍子の楽譜が載っています。

初めて世に出たのが1954年。
ケイ・バラードのレコードが残っています。
Kaye Ballard - In Other Words (Fly Me to the Moon)
https://youtu.be/vpC_N19UlIk

ここで、あれ?と気づいた方がいると思いますが
最初の曲名は ”In Other Words" でした。

その後、タイトルを変えて別な人が出したんですね。
今でもFly Me To The Moonのタイトルには決まって
(In Other Words)とついているのはそういう理由です。

そしてさらに!
1960年代前半に当時はやりのボサノバのリズムに合わせて
4拍子に編曲されて今わたしたちが耳にする形になりました。

それをフランク・シナトラがカバーしてヒットさせ
全世界に広まったということだそうです。

当時のアメリカはアポロ計画の真っ最中。
「月に飛ぶ思い」が夢語りではなく
リアルなものとして目の前に開かれた時代でした。

月ではウサギさんお餅をついていてほしいと願う私としては
この歌のロマンティックな歌詞のイメージのほうが
こころにしっくりと収まります(*^^*)


♪シオンのリスニングルーム(You-tubeライブラリ)
https://youtube.com/playlist?list=PLJ33fs3Y44PkdvMuV_wzU8oSMIHW6IvUc
noteで取り上げた順番でリストにしてあります

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?