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逃げるカメラ女子

写真を撮ることが好きだ。
趣味というほど凄いものではないけれど、友人と四季を感じる花を追いかけるぐらいには好きだ。

ミラーレスのカメラを持って、女子2人。
お互いを被写体に見立て、撮り合っている。
気持ちの持ちようだけはカメラマンと被写体さながら。



そんなことを2人でやっていると声をかけられたりするもので。
友人の考察によると、Theインスタ女子でもなく、ガチなカメラマン(2人ともミラーレス一眼)でもなく、
"丁度いい"
らしい。


お揃いの服や、花に合うように服を選んでいくので
「2人の写真撮りますよ」
とありがたい声をかけていただく。

友人とカメラを持って出掛けている時は、お互いを撮ることが多いので2人の写真は要所要所で自撮りするぐらい。見返してみると構図は証明写真。背景が派手になったぐらい。

だから、"基本的には"写真を撮っていただくことはものすごーーーくありがたいのだ。


「私たちのカメラで写真を撮らせて欲しい」
ありがたいお言葉。

「ついでに自分のカメラで2人の写真を撮りたい」
機材の違いもあるし、送ってくださるのはありがたい。

「さっき撮った貴方たちを見かけたので向こうから撮ってみました」
…ん?これは…?


いや、途中から友人と私は気付いていた。
さっき撮っていただいた方のカメラ、私たちの方に向いてない?と。

向こうの花壇で会った時、カメラの話をして、ありがとうございますなんて言って、別れたはず。

いやでもあれは絶対私たちのことを撮っている。
今は私の被写体ターン。
カメラで真剣に私を撮ってくれている友人のその後ろに、あれ?

知らない人(さっき撮っていただいたけどベースは知らない人)にカメラを向けられて、そのカメラの方にいい笑顔できるわけないよ!?

なんて心の中では思いながら、
「後ろ姿もありだね〜」
「手に顔添えてみるか〜」
と言いながら顔を隠す。
そして友人に目配せ。



本人はそんなやりとりがされていることは知らずに、私たちに声をかける機会を伺っているような立ち振る舞い。
私は大学院生だし、友人は社会人。
大人の仲間入りはしているけれど、流石に若干の恐怖心を抱く。


でもここでこんなに引き伸ばしては。
さっきから私と友人の心を代弁するかのように、空から涙が降ってきそう。
早めに次に進まなくては。

「良い写真撮れた〜?」
と言いながらカメラマン×被写体モードは解除。

と思ったら近付いてきている気がする。
勝手に撮られていたのは許すから。
植え付けられた恐怖心。
"若干の"と言っていたが、接近してくる様子がそれを煽る。
鬼に金棒。
恐怖感を煽るカメラマンに高性能の望遠カメラ。

再び友人と目配せ。
次の瞬間に私と友人は足早に大花壇の側道を進む。
なんなら最後は猛ダッシュ。

次の撮影スポットは素敵なモニュメント。
おっと列ができている。
ので、並ぶ。


「さっき撮った貴方たちを見かけたので向こうから撮ってみました」

鬼ごっこ開始から数十秒。
私と友人は捕まったのである。

声をかけられたからには仕方がない。
友人はほぼ無視だけど。
(批判しているわけではないです。無視しそうだなとは思ってた。)
お礼を言って写真を送ってもらう。



モニュメントの撮影列。
そろそろ私と友人の番。
あれ、写真送ってもらったよね。
でもなぜか、まだ隣にその人いるよね?

早々に後ろに並んでいた人に写真を頼み、
無理矢理と言って良いほどの強引なお礼で隣に佇む人との会話を終わらせ、
ミッションコンプリート。


写真楽しむのはいいけど、さよならした後に撮るのはギリギリ盗撮じゃない?と女子2人の会議がありましたとさ。


写真撮るのは好きだし、
今月末の紅葉も楽しみだなぁ🍁


本日も読んでいただきありがとうございました!


:)  

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