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【実践論文】人工知能社会における教育に関する実践的研究(1)

  YouTubeを活用した鑑賞授業の実践に関する考察 ―「音楽の引用」を可視化する音楽家の系譜をたよりに―

 本論は、日本の音楽シーンを名実ともに牽引している星野源と山口一郎(サカナクション)に焦点を当て、彼らが影響を受けてきた音楽家の系譜をたよりに「音楽の引用」について学ぶ鑑賞授業の実践に関する考察である。17世紀に五線記譜法(エクリチュール)が確立され、旋律、和声、リズム、技法、編成といった音楽の諸要素を分析 (アナリーゼ)できるようになった。過去作品の曲想や作曲技法は時を超えて 受け継がれながら、数多の音楽家による試行錯誤と創意工夫が続けられている 。今日では インターネットを介して誰もが膨大なデータベースにアクセスし、過去から現代に至る多種多様な音楽を領域横断的に視聴できるようになった。そこで、ソーシャルメディア時代の音楽聴取のあり方としてYouTubeの活用をまずは是とした上で、音楽教育の中でも受動的になりがちな鑑賞領域において生徒の言語活動を充実させながら「主体的・対話的で深い学び」を促す授業を構想し、2016年度から2017年度にかけて実践した。

 http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/106250/


 この論文の構想は、昨年5月に書いた「論考メモ:作曲におけるパロディとシミュラークル ー星野源とサカナクションをたよりにー」でした。その後、音楽プロデューサーの牧村憲一さんからお声掛けいただき、多くのご示唆と有意義な学びの機会をいただきました。あらためて感謝しております。

 また、2019年1月には慶應大学での牧村憲一ゼミナールにおいて「音楽家/作曲技法を系譜から読み解くオマージュ・パロディ・サンプリング・パクリの差異」と題した講座を担当させていただきました。「教えは学び」という牧村さんの言葉が、今でも深く心に響いています。論文と合わせて参照いただければ幸いです。

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千葉大学で公開されているその他の主な論文はこちらからダウンロードいただけます。 http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/search/simple/?lang=0&mode=0&kywd=%E9%A3%AF%E5%B3%B6%E6%B7%B3

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