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名曲134 「それが大事」【大事MANブラザーズバンド】

ーー負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと曲を聴くことーー

【それが大事】

一発屋といわれる中でも特大の一発を上げてしまえば歴史に残る。一発すら上げられない人間が多い中で彼らの存在はもっと評価されるべきだ。大事MANブラザーズバンドである。

「それが大事」はミリオンヒットを達成した。累計売上は180万近く売れたと記録に残っている。当時は1992年、バブルがはじけて日本全体が明るさを失いかけていた時代だ。そういった要因もあってか、力強い応援歌として国民に支持されていった。私も当時リアルタイムではなかったが、この曲を耳にしてからは口ずさんでしまうほど好きになった。

{負けない事 投げ出さない事 逃げ出さない事 信じ抜く事
駄目になりそうな時 それが一番大事}

サビがいい。結局どれが一番大事なのか明かされていないのが含みがあっていい。4つすべてなのか、信じ抜く事なのか。確か何かのテレビ番組で立川俊之が明らかにしていた気がするが、忘れてしまった。

{高価な墓石を建てるより 安くても生きてる方がすばらしい}

まさにそう。栄光を成し遂げた金持ちだって、死んでしまえばもう無価値になる。それならたとえ貧しくても生きているほうが上である。

{ここにあなたが居ないのが淋しいのじゃなくて ここにあなたが居ないと思う事が淋しい}

ところどころで詩的な表現が見られる。この部分はマイフレンドでも似たような描写があった。

{高価なニットをあげるより 下手でも手で編んだ方が美しい}

これもいい。で、この曲がなぜヒットしたかというと、非常に人間味のあるバンドが歌っているからだと世間に認識されたからではないかと思っている。

著作権の関係で貼れないが、ぜひCDジャケットを見てほしい。飾らず、自分なりの決め顔や笑顔が素晴らしい。それでも70点と言われてしまいそうなほど隙があるようにも見える5人の顔が絶妙。どこか温かみがあるのだ。万人から愛されるような。

それでいて歌も飾らず一生懸命という感じがしてこないだろうか。悪い表現になってしまうが、この歌がすでに売れているグループが歌っていたら説得力がなくここまでヒットしていなかったのではないかと推測する。まだ芽が出ていない若者が熱く歌っている姿を見て「自分も頑張らなきゃ」とエールをもらえていたのだと思う。

ちなみに最後はサビのフレーズを計6回も歌う。くどいなんていってはいけない。それだけ当時の日本は暗かったのかもしれないし、本心から伝えたかったのかもしれない。それだけ「全力」であるさまがうかがえるのだ。日本人が好む若者の像がぴったりと当てはまるような、そんな背景が備わって大ヒットを生んだのではないかと考察する。

【今日の名歌詞】

高価な墓石を建てるより 安くても生きてる方がすばらしい



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