名曲992 「迎えに行くよ」【高野寛】
ーー情緒満載の優しい歌声ーー
【高野寛「迎えに行くよ」】
高野寛は久しぶりの登場だ。今回の曲はシティポップに属するか何とも言えないが、非常にきれいなので取り上げておきたい。虹の都の次は、どこからか来てくれる暖かいお迎えだ。
この曲は構成がなるほどと思わせる。常に美しいのだが組み立てが秀逸なのでより川の流れのようにきれいなのだ。出だしでまず好印象を抱く。そこからゆりかごのような優しいテンポ。慣れてきてから徐々に盛り上げていく。そしてすーっと消えていってしまうかのように終わりを迎える。
かみしめていくと、高野寛の美声がよくわかるのである。どこか切なげ。きっと迎えに行くはずだったあの頃を思っているのかもしれない。それが過去の思い出なのか、はたまた。
高野寛はそこまでメジャーでない。私も知っている曲はほんのわずかである。シティポップのメドレー群で耳にしたのがきっかけであったが、きっとそんな人間はあまりいないだろう。ましてや同世代は。ああ、先日も分かち合えないまま一方通行になりそうになってしまい伝えきれなかったなあ。
秋の曲だって気づいた方は鋭い。まあでもいいんです。いい曲はいつ聴いても素晴らしいのですから。隠れた名曲はまだまだ、まだまだ眠っている。前を向いて、時々振り向いて迎えを待ちたい。
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