迷曲3 「世界タービン」【平沢進】

ーー触れちゃいけないキケンな世界観ーー

【平沢進 世界タービン [60fps]】

 世の中には知らないほうがいいことも多い。音楽の世界にも、いい意味で知らないほうがいい世界観が存在する。それが平沢進だ。

 平沢進はP-MODELのボーカルでメジャーデビュー。こちらも強烈なバンドなので後々(いや次にでもいけるか)紹介する予定だ。それは当然、こちらの迷っているほうで。

 この「世界タービン」は一部のマニアの中で強烈な支持を集めている。まあまずは聴いてほしいと気軽には勧められないレベルだ。曲もPVも時代を先取りし過ぎていて、おそらく100年後の人間も首をかしげていることだろう。だからこそ、唯一無二の存在と崇めたい。

{世界タービン タービン 世界タービン タービン}

 出だしからかなりのインパクト。タービンとは発電っぽいイメージがあるだけでよくわからないが、とにかくタービンが回っているのである。

{朝の風は凄まじく 幾万もの声を消す 通り過ぎる人波に 遠い秘境の景色重ねても 見えぬ空の秘密よ 雨に灼けた往来で キミよ夢に何を見る
(あー だいじょうぶよ タービンが回るわ)
(あー だいじょうぶよ タービンが回るわ)
キミの歌にめくるめく 古い無音の稲妻で}

 強烈だ。一定のテンポで表情を変えず歌い続けているその姿が怖い。某国の軍歌のよう。

{割れた壁に手を当てて 遥かキミを感じてた 海を渡る電光の 夢で焚いた火を囲んで待つ 聞こえぬ丘のリズムを 街を急ぐ警笛に キミの歌もかすれて
(あー だいじょうぶよ タービンが回るわ)
(あー だいじょうぶよ タービンが回るわ)
キミの歌にめくるめく 古い無音の稲妻で}

 思想がよくわからない。もはやこれをテクノだとかサイケで済ますのはそれらの言葉群も困惑するほどに独自の世界観を築き上げているのである。

 平沢進にハマった人にこそ見える世界観があり、それを会得した景色は壮観。本当の意味で桃源郷が広がっていることだろう。病気や悩みを抱えている方は、おっかなびっくり聞いてみるのも手である。何か迷いが吹っ切れるかもしれない。私も瞑想してみよう。

 タービン、タービン、タービン、タービン。

 タービンが回る。世界がタービンに支配される。支配されたタービンがは動きを止めることなく回り続ける。タービン、タービン。

          【今日の名歌詞】

あー だいじょうぶよ タービンが回るわ


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