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芸能マネージャーの贈る業界仕込みの『レコード会社とかレーベルって一体なに!?』(レコード会社 編)

【無料noteです】

引き続き音楽ビジネスについて書いてみます。

前回は『アーティストとプロダクション(事務所)について』

前々回は『出版(著作権)ビジネスについて』

今回は『レコード会社とかレーベルって一体なに!?』について書きます!!

よくレコード会社の話をすると、

「あータワレコとかTSUTAYAとか??」
「レコードを作っているの??」

などそんな反応があると聞きます。笑

音楽は好きな人は何となくは分かるかもしれませんが、普通に生活しているとレコード会社て名前には馴染みはないかもしれませんね。

なので、今回はそんなあまり知られていないレコード会社についてのnoteになります。

【目次】
・レコード会社って何してるの??
・どんな会社がある!?
・レコード会社ってどんな部署があるの!?
・レーベルとレコード会社って違う??
・音楽ビジネスのまとめ

それでは、早速いきますね!

<レコード会社って何してるの??>

そうですね。
ひと昔前で言うと「CDを作って売り出す会社」です。(さらに昔はレコードでしたがw)

今では「オリジナルマスター原盤を作ってCD化や配信販売、サブスクリプションサービスなどを軸にライブも含めたアーティストの音楽活動全般をビジネスとして扱う会社」です。

以前はミリオンセラーがそこそこ出ている時代にはCDだけでも食べていける売り上げが見込めた時もありましたが、今はCDがほとんど売れない時代なので、各レコード会社も色々な形で利益を出せるようにビジネスが変化してきています。

アーティストの発掘・育成・録音・宣伝・営業・ライブ、さらにはMDやファンクラブまでやったりします。
いわゆる360°ビジネスですね。

※参考:CD・配信の市場規模は、ピークであった1998年に6000億円で、2016年には3000億円程度にまで落ち込んでいます。ちょうど半分ですね。
ただ、ライブ収入は伸びていますので、トータルでそんなに音楽市場全体がシュリンクしているわけではないと思います。(出版収入は1998年からほぼ横バイ傾向ですね)

<どんな会社がある!?>

さて、国内にレコード会社は大小ありますが、下記が有名どころの会社でしょうか。

・ユニバーサルミュージック
・ワーナーミュージック・ジャパン
・ソニー・ミュージックレーベルズ
・エイベックス・エンタテインメント
・ポニーキャニオン
・A-Sketch

とかですかね。他にもたくさんありますが、大体こういう会社がいわゆるレコード会社というやつです。

ちなみに成り立ちは、
外資メジャー = ユニバーサルミュージック/ワーナーミュージック・ジャパン
AV機器メーカー = ソニー・ミュージックレーベルズ(ソニーグループ)
独立系 = エイベックス・エンタテインメント
テレビ局系 = ポニーキャニオン(フジテレビ系)
プロダクション系 = A-Sketch(アミューズ)

のようにそれぞれカラーがあったりします。

では、レコード会社ってどんな部署があってどんなお仕事をしているのでしょう。
みてきましょう!

<レコード会社ってどんな部署があるの!?>

まずはマスター音源(原盤)を制作するのが中心のお仕事になるので、「制作部」があります。

その部署の人をA&Rとかディレクターと呼びますね。
もちろんそのまま「制作の人」と言うこともあります。

制作は、アーティストの方向性をマネジメントと相談し決定し、それに合わせて通常いくつか候補のある楽曲の中から歌う曲を決めます。
そして、スタジオや必要な素材マスタリングする人などを手配し原盤を録音します。

で、その作られた原盤をCD化して発売するに当たって、


①宣伝する部署 = マスメディア(TV・雑誌など)媒体に働きかける
②営業する部署 = タワレコなど店舗に購入して置いてもらうよう働きかける
③販促する部署 = インストアイベント・握手会や店内の展開提案したり働きかける

があります。

①の宣伝する人は「プロモーター」「宣伝」と呼ばれる人達です。
リリースタイミングでMステに出れるよう交渉したり、告知コーナーのあるバラエティや情報番組番組にブッキングしたり、ラジオに本人をゲスト出演させたり、ラジオでその曲が流れるようにMCやプロデューサーにお願いしたり、雑誌での露出をします。

②営業は店舗に置いてもらえないとお客さんには届けることは出来ないので直接音楽を買ってくれる人との接点になる重要なお仕事です。
店舗側も売れたら嬉しい反面、売れないと在庫になるので色々なバランスの中で調整が必要になるので大変なお仕事です。

③販促は営業がお店に置いてもらったCDがより売れるように様々な企画提案をします。代表的なところでインストアライブ・サイン会・握手会や店内で特別コーナーが作れるような素材や情報を提供して沢山お客さんにCDを買ってもらいやすくしていくのがお仕事です。よく販促の人はインストアイベントのMCもこなしたりしてます!笑

あとは、配信関係を扱う部署もありますね。

配信する編成配信先(iTunesとか)を決めたります。
最近だとApple MusicやSpotify、LINE Musicなどもサブスクリプションサービスも出てきているので、CD・ダウンロード配信・サブスクストリーミングサービスのどこからどのタイミングで行うかを制作と相談して決めて実行していく部署ですね。

あとは、会社によりますが原盤の2次利用を開発する部署があったりしますね。
その会社の過去のヒット曲を別の形でお金に変えていくようなお仕事です。
例えば、TRFの過去の曲を踊ってダイエットする「イージー・ドゥ・ダンササイズ」とかが成功例ですね!!

あと、権利をしっかりクリアランスしてビジネスをスムーズに進めるサポートをする契約を扱う部署もあります。

大体このあたりがレコード会社の部署&お仕事になります。

それでは、よくレーベルって言葉を聞くけどそれはレコード会社と違うの??を見ていきましょう。

<レーベルとレコード会社って違う??>

レーベルは原盤を作る所なので、レコード会社とほぼ同義ですね。
せっかくなのでもう少し詳しく言うと、レコード会社の中に複数のレーベルが存在するイメージです。
たとえばソニーミュージックレーベルズを例に見てみましょう。

(オフィシャルHPより引用)
”音楽・映像ソフトの企画、制作、プロモーションを行うレコード会社。ソニー・ミュージックレコーズ/エスエムイーレコーズ/SACRA MUSIC/アリオラジャパン/エピックレコードジャパン/Epic JYP/キューンミュージック/ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ/ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルという、異なる個性を持った9つの音楽レーベル(事業部門)によって構成されています。各レーベルでは、アーティストと専属契約を結び、アーティストの育成から音源制作、マーケティング、メディアプロモーションまで一貫した戦略によって、アーティストの音楽活動全般をプロデュース。J-POP・ロック・アニソン・洋楽・クラシック・ジャズなど幅広いジャンルにおける音楽作品を、国内および海外市場に向けて送り出すレーベルビジネスを展開しています。”

上記の、
・ソニー・ミュージックレコーズ
・エスエムイーレコーズ
・SACRA MUSIC
・アリオラジャパン
・エピックレコードジャパン
・Epic JYP
・キューンミュージック
・ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
・ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

が、レーベルであり、それをまとめているソニーミュージックレーベルズがレコード会社です。

では、なぜこんなにレーベルが必要なのでしょうか??
「1つあれば十分じゃない??」と声が聞こえてきます!笑

それは、音楽の方向性によるブランディングの為です。
バンドに強いレーベル、クラブミュージックに強いレーベル、アイドルに特化したレーベルなどそれぞれのカラーを最大限生かせるようレーベルとして分けてます。
それによりそのレーベルのファン層が決まってくるので効果的なプロモーションも組めるようになりますし、その方がファンも自分の好きな音楽を探しやすいようになりますよね!

昔でいうレコードの真ん中にレーベルのシール(ラベル)が貼ってあって、それをみれば一目でどこのレーベルかわかるようになってました。
そこからラベル=レーベルだという説があります。

それでは、ここまで3回に渡り見てきた音楽ビジネスをまとめてみましょう!

<音楽ビジネスのまとめ>

簡単にここまでの音楽ビジネスをまとめます。

noteの1回目:出版ビジネス(著作権)
noteの2回目:プロダクションビジネス(アーティスト)
noteの3回目:レーベルビジネス(レコード会

音楽業界のビジネスはこの3つのどれもかけては成り立ちません。

まず曲を「作曲・作詞」する人がいて、それを実際に「歌う」人がいて、さらにその歌を「録音」することでそれをCDなり配信なりが出来るようになります。

その先にライブの興業ビジネスカラオケ利用などに広がっていきます。

それぞれの異なる権利があってCDという形になり世の中に出ていることを知ってもらえたら嬉しいですね。

以上が音楽業界のビジネスになります。

ここからは独り言みたいなものですが、

今はyoutubeなどで自分で楽曲を作り、それを歌って直接配信できる時代になってきているのでさまざまな可能性があります。

個人的に思うのは、これからはマスターを作ってコピーを売る(CD/配信)のビジネスより音楽体験に対してお金を払ってもらえうように音楽ビジネスはシフトしていくと思います。
それはライブの体験だけでなく、音楽との新しい出会い方やそれを合法的に気軽に聞くことが出来るサブスクリプションサービスなども含めて、そこからファンクラブやクラウドファウンディングによる原盤制作など、そしてこれから期待のARやVRなどのIT技術と大きく繋がりのあるエコシステムになるのかなと考えてます。

その場合でも、著作権・アーティスト・レコード会社の権利が無視されることはありません。

次はまたタイミングみて、アニメや映画の製作委員会ビジネスについて書いてみようかなと考えてます。

長い記事でしたが最後までお付き合い頂きありがとうございました!!

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