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東日本大震災から10年 音楽ができることとは

東日本大震災から10年が経ちます。
ミュージックソムリエ協会では、運営しているCDショップ大賞の特別企画として、「特別企画インタビュー 東日本大震災から10年」を行い、3名の方にお話を伺い、Youtubeに公開しました。

1人目は、気仙沼出身で、いまも気仙沼で暮らしているシンガーソングライターの熊谷育美さん。震災時には、地元 気仙沼にいました。一度は歌手活動をためらったそうですが、地元の方々の激励もあり、歌い続けました。避難所や営業再開をしたお店など、どんな場所でも歌を届けてきたそうです。

2人目は、全国のレンタルビデオ・CD店をまとめる、日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合 専務理事の若松修さん。若松さんは、震災時には仙台郊外での会合に出席。東京に戻ったのち、自家用車で再び東北へ行き、被害店舗の様子を視察しました。跡形もなくなった陸前高田市の避難所を拠点に、三陸地方で再び娯楽を提供できるように奮闘されました。

3人目は、銀座山野楽器 仙台店の三浦良介さん。震災時には、お店で接客をしていました。その後、被災者でありながら、店舗再開のために奮闘。お店再開時には、多くの方が来てくれたこと、そして今でも、あの時に紛失してしまったCDを買い求めに来るお客様がいることを教えて下さいました。

あの時から10年。
お話を伺うと、復興したこともありますが、まだまだ道半ばであることを感じました。出来ること、出来ないことがあると思います。それぞれ得意なこともあると思います。
ミュージックソムリエ協会では、音楽を通してさまざまな活動をしている人を紹介し、少しでもそれを求めている人とつなげていく、そして活動を多くの方に知ってもらえるようにしていきたいと思っています。

話は約10年前に戻りますが、震災発生後に、私たちは、Smile For Japanと共に、音楽に関わる支援のひとつとして、『SMILE FOR JAPAN 日本の歌、心の唄』というCDを制作しました。
多くの音楽家の協力のもと、厳しい避難生活をされている方、まだ余震などの災害で心配な方々に少しでも笑顔になって貰いたいと思ったからです。また、CDと共に音楽再生機器も届けました。

当時、被災地の情報を伝えるために、コミュニティFMが多く誕生しました。しかしながら、まだラジオなどを聞くための機器は、被災地には十分な数がなかった状況でした。そこで、制作したCDと共に、ラジオも聴ける再生機器を送ろうと思ったのです。

被災地で「今、何が欲しいのか?」というアンケート
1位 飲料と生活用水
2位 正しい情報
3位 音楽 

当時、このアンケートを新聞やテレビなどで見て、ミュージックソムリエ協会が出来ることとしては、音楽と共に、正しい情報を得ることができる再生機器を送ることが良いだろうと判断しました。
CDの収録曲は、童謡や唱歌、懐メロなど、誰もが一緒に歌えるものを選びました。

収録曲の一部
「手のひらを太陽に」パパイヤ鈴木&鈴木彩花・鈴木太郎
「リンゴの唄」畑中洋子
「桜2011 Acoustic Ver.2011」川口恭吾
「アンパンマンのマーチ」マユミーヌ など。

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主旨に賛同していただいた歌手、ミュージシャン、アレンジャー、エンジニア、スタジオの皆さんは、チャリティーで参加してくださいました。
その結果、再生機器は約350台。CDは約1000枚を配ることができました。

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東日本大震災以降、さまざまな災害も起こりました。いまでも、たくさんの方が、大変な生活をしている状況です。

娯楽では、空腹を満たすことも、雨風をしのぐこともできませんが、人を励まし、元気づけることができるかと思います。

ミュージックソムリエ協会は、”音楽は心のライフライン” と考えています。
音楽を通して、私たちが出来る限りのことを、これからもやってきたいと思います。

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